熱が上がってきた
作業時間が1時間半を超えたあたりから、グッと外付けディスクが熱くなって来た。単純作業でも数を繰り返せばディスクを熱くすることが出来るのだ。
氷のうも生暖かくなっている。
更なる工夫として、氷のうの上にタオルをかけて熱が逃げないようにしてみた。まるでハードディスクが病に倒れたみたいだ。
ハードディスクの熱が上がって来たのと同時に、部屋中にゴムの匂いが充満し始めた。古タイヤの中で仕事をしているような気分になって来る。
熱燗が出来上がる前に気持ち悪くならなければいいのだが…。 それより、熱燗が出来たとしても中身がゴム臭かったらどうしよう?
部屋中に匂いが充満するほどである。中身がゴム臭いという事も十分考えられる。 不安だ。
熱燗は出来たのか?
熱燗の目安として、「ぬる燗」は40度前後、「上燗」は50度前後という基準があるらしい。「白鶴まる」のパッケージに書いてあった。
出来れば上燗でクイッといきたいところである。
しかし、部屋に漂うゴムの香りも凄い事になっている。氷のうの具合を確かめてみた。
かなり温かくなってきたようだが、まだ足りない。
匂いは悩ましいが、ここで氷のうにとどめを刺そう。
パソコンの裏の熱を利用するためには、パソコンを動かし続けないといけない。パソコンでの作業を続けなければならないのだ。しかし、あまり衝撃を与えると氷のうが破裂してしまう。慎重にキーボードを叩かなければならない。
ゴムと日本酒が混ざった匂いが鼻をつく。
そろそろ良い頃合いだろう。 というか、匂いがもう限界だ。
氷のうからお銚子にお酒を移し変え、酒かん計で温度を測る。 酒かん計によれば、50度が飲み頃となっている。
果たして、何度まで上がったのか?
結局、「ぬるい」にも届かず、36度前後までしか上がっていない。
つまり、 パソコンの熱で熱燗を作る事は出来ない、という事である。
気になるお味の方は?
本日2度目の猪木顔であった。
林さんとネタのブレストをしている時、次のようなやりとりがあった。
林: PC熱燗はいつやります? 住: 明日、やろうかと。 林: 行きましょうか? 住:あ、でも何時頃出来上がるかメドが立たないので。 林:そうですよね。じゃあ、いまのなしで。 住:ええ、一人で熱燗を楽しみます。
林さんを呼ばなくて本当に良かった。あのゴム臭くてぬるいお酒を飲んだら、きっと林さんも猪木顔になってしまう。
(おわり)