棟の奥には番号の振られた景品が並べられている。順番が来るまで時間がかかりそうなので、他の人の様子を見ていると、開けるのを我慢しきれずに地べたに景品を置いて「50」と書かれた包みを開けている女の子がいた。
包みの中から出てきたのは、黒い地味なショルダーバッグ。女の子はバッグを見たかと思うと、その瞬間を撮ることができなかったほど、すぐに包みの中に再び戻した。
小学生の女の子にはふさわしくない、黒いショルダーバッグ。当たった喜びと、得たものの微妙さとのギャップが残酷な一瞬だった。
さて、だんだん人がはけてきて、奥に置いてある景品たちが見えてきた。自分の番号は10と100だが…。
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