新たな展開の兆しが
さて、近くにあるミスドでドーナツを食べて小一時間ほど休憩。戻ってきてもまだ踊りは続いていた。
みなさん休憩や水分はとったのだろうか。こちらが心配になるくらいなのだが、延々と日本各地の民謡は流れ続け、ピシッとした踊りもそのままだ。
このあとどうなるのだろう。踊りを見ながら、境内を散策してみよう。
「願いの玉」を高速でなでる
まず発見したのは、いくつもかけられていた絵馬。伝説のワンシーンが描かれていて、なんともかわいらしいデザインだと思う。確かに縁結びに効果がありそうだ。
そして本堂の前に置かれていた「願いの玉」なる玉。願いも曖昧なまま、なんとなく高速でなでまわしてみる。
年をとってもいろんな意味でバリバリ現役だったという仙人にちなんでか、この寺では下の病気に効き目のある祈祷も受けられるとのこと。今のところ私の下はこれといった問題はないので、今回はいいだろう。
30代半ばの祈り
続いて見つけたのは「カワラケ」なるもの。丸い素焼きに願いを書いて、ハンマーで叩き割ると御利益があるというものだ。
お金を箱に入れて、カワラケを一枚手に取る。願い……なんだろうか。しばらく考えて書いたのは「全体的な健康」。まあいろいろあるけど、最終的にはこれが大事だよね、というのが35歳の祈りなのだ。
そばに置いてあるハンマーでカワラケを叩き割る。カワラケは軽くてそう固くもないので、一発でこなごなだ。
願いを書いたものをこんな風にしてしまっていいのだろうかと思っていると、次が最後の曲だと告げる場内アナウンスが聞こえてきた。いよいよ踊りもクライマックスか。
急にごった返す境内
同じ日に寺のすぐそばで行われていた、町内運動会的な行事が終わったらしく、そちらから人が次々にやってきた。踊りが終わる頃になると、さっきまでギャラリーもまばらだった境内が、にわかに活気づく。
やぐらを囲むようにして集まったたくさんの人たち。その、このやぐら、踊りの中心にありつつも、先ほどまでは何の意味もなかったように見えたのだ。
そして、集まってきた人を見ていると、あることに気がついた。
わけを知っているであろう地元の人たちは、大きな袋を手にしているのだ。なにそれ、聞いてないよ、そんなこと。大体きみたち、踊り全然見てないでしょ。一体何が始まるというのだろう。
そわそわして待っていると、なにかが入った箱が運び込まれてきた。
ポケットティッシュって、書いてあるよね
んー? ポケットティッシュ?
段ボール箱にはポケットティッシュと書いてある。雰囲気からしてお餅やお菓子が投げられたりすると思っていたのだが…。ただ、まあ箱だけポケットティッシュが入っていたのを使っているだけで、中身は違うものかもしれない。これから何が起きるのか、もう少し待ってみよう。