司会のお父さんが独走する
このイベントになって司会のお父さんのバルブが全開となった。
第一陣の抽選が終わったあとの「静かなゲームですが当たったらおもしろいと思いますので感激してください。」というアナウンスでおかしいなとは思っていたのだが、第二陣には「当たった!というおもしろみをジェスチャーで表現してください。」という注文を出していて私たちの度肝を抜いた。
事態を理解した当選者たちは「オーッ!」と声をあげたり、大きくガッツポーズしたり、と見事に注文に応えていた。私たちはほらちゃんと大人だよねという空気にみんな包まれていた。だがしかし。
「何かいまいち喜びを感じねーなー。」と司会者の驚くほど低い声が響いて全員が戦慄した。
次の回では大げさに喜ぶ人はいなかった。もう喜び方についてはふれなくなったが、寂しそうな声で「今年のみなさんは感激がないですね。」と漏らしていた。漏らしたといってもマイクを通じて会場中に漏れていた。うーん、すごい。と、僕はメモをとるのに必死だった。
後に聞いた話では、この司会の方は公民館などで色々仕切ったりする仕事をずっとされてた役場の方なんだそうだ。独自の発展を遂げた話術に合点がいった。来年のフェスティバルにもぜひ出てもらいたい。このジャンボうさぎフェスティバルの名物は意外とこのお父さんなような気がする。 |