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ひらめきの月曜日
 
大田原市が、とうがらしで熱かった

来る日を間違えたかも

とうがらしフォーラムは2日間開催されたが、それぞれの日で内容に若干の違いがある。1日目は「とうがらし料理コンテスト」が売りで、2日目の目玉は「地酒の試飲・即売会」だ。


いま考えてみると、やっぱりメインは料理コンテストだよなぁ。
どう考えてもそうですよねぇ。

3ページ目にして言うことではないかもしれないが、実はこの取材は2日目に行われた。

…そうなのだ。私は工藤さんに「ソーセージなんて食べてる場合か!」と怒れる立場になかったのだ。「試飲が大変に魅力的です」という提案に「確かにコンテストの結果はあとで分かるけど、試飲はその日しか出来ないもんな」と乗ったのは、他の誰でもない、私だ。

そして、その報いがこれです。


急遽、試飲は中止に。即売のみ敢行。
なんのために2日目を選んだのか…
名残惜しそうに見詰める工藤さん。気持ちは分かる。
酒蔵の仕込水というのは試飲できた。ま、水ですからね。

「道の駅なのに日本酒の試飲会なんて、珍しいと思ったんですよねぇ」と工藤さんが言う。言われてみれば確かにそうだ。

残念だが、ここはおとなしく諦めるしかない。ふと横を見ると、なにやら珍妙なマシンで遊ぶ子どもの姿が目に入った。

 

とうがらし、関係ない

広場の片隅にある「ごじゃっぺスロット」と書かれた手作りのスロットマシーンが、異様な存在感を周囲に放っている。ついフラフラと引き寄せられた。


ごじゃっぺとは「いいかげん」とか「役にたたない」という意味の栃木弁だそうです。
釘の並びが確かにごじゃっぺ。イラストも素晴らしい。
どこかリリー・フランキーさんを彷彿とさせながらも、
後ろの丸出し加減がたまらない。グッときた。
もう遊ぶしかないだろう。
これ、かなり面白かったです(ボールは落ちましたが)

さらに、その隣では「とちぎ弁カルタ」なるものが販売されており、カルタ取り大会も行われていた。

とうがらしはどこへ。


子ども相手に本気を出す大人たち。
悔しがる子ども。
これはさすがに参加できず。
最終的には子どもが優勝して景品をもらっていた。良かった良かった。

ほのぼのとしたお祭りだな…という目で会場を眺める。フォーラムはまだ2回目だっていうし、きっとこれからどんどん規模が大きくなっていくんだろう。

…が、まだ終わったわけではない。むしろこれからだ。

 

質問攻め

会場の一画に、白衣を着た「とうがらし迷博士」なる人物がぽつーんと座っているのを発見。


カメラを向けると笑顔でこたえてくれました。
悪い冗談ってのはなんだろう。
「あのー、質問してもいいですか?」「どうぞどうぞ」
何を聞いても笑顔で簡潔に回答。全然「迷」じゃない。

普段は、とうがらしの生産や販売に従事しているという吉岡さんは、こちらが投げかけるどんな質問にもきちんと答えてくれた。

いわく「ダイエットにはよほど大量(1日3グラム位)に食べないと効果はない」とか「ししとうやピーマンと先祖は同じ」とか「純粋な品種はないから、たまに突然変異的な物が出来たりする」とか「ピーマンのフワフワした部分がカプサイシン」とか「辛さは痛さだ」とか。

実際にとうがらしを使って説明してくれたりして、とても勉強になった。


「男性は、とうがらしを触った手でトイレに行ったら大変なことになりますよ」…これが悪い冗談なのだろうか。
「じゃあ女性は行ってもいいの?」と、いつの間にか隣に立っていたおじさん。こっちの方がタチ悪かった。

「ありがとうございました」と博士にお礼を言って場を離れる。広場に戻ると、楽しみにしていた「とうがらしロシアンルーレット」が今、まさに終わったところだった。ショック…。

もう我々に残されたミッションは「食べる」しかない。

 

怒濤の6連発

そもそも、大田原へは食べるためにやってきたのだ。どんなに辛くとも、どんなに翌日トイレでつらい思いをしようとも、本来の目的はそれだったはずだ。

ならば、誰に遠慮が必要か。はばかることなく食べてやろうじゃないか。6品目、連続でいきますよ!


ハムカツやエビフライも魅力的だが、
これを食べるために来たことを忘れちゃいけない。
刺激臭(辛そうな匂い)はしません
小さな赤いツブツブがご覧いただけますでしょうか?

このコロッケが本当においしかった。ちょっとだけ辛いことは辛い。でも「辛さはあくまで調味料の一部」とでも言いたげな、主張しない辛さなのだ。

工藤さんも「これ、普通においしいですよ」と言っていた。うん。辛さは控えめだけどとうがらしの存在感はある。風味も十分すぎるほどにある。とうがらし自体がおいしいと、こういう物が出来てしまうんだろうか?

続いては、朝から気になっていた「とうがらしジェラート」に挑戦してみよう。果たして「冷たい物を食べながら発汗」という珍現象は起きるのか、起きないのか!


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