来る日を間違えたかも
とうがらしフォーラムは2日間開催されたが、それぞれの日で内容に若干の違いがある。1日目は「とうがらし料理コンテスト」が売りで、2日目の目玉は「地酒の試飲・即売会」だ。
3ページ目にして言うことではないかもしれないが、実はこの取材は2日目に行われた。
…そうなのだ。私は工藤さんに「ソーセージなんて食べてる場合か!」と怒れる立場になかったのだ。「試飲が大変に魅力的です」という提案に「確かにコンテストの結果はあとで分かるけど、試飲はその日しか出来ないもんな」と乗ったのは、他の誰でもない、私だ。
そして、その報いがこれです。
「道の駅なのに日本酒の試飲会なんて、珍しいと思ったんですよねぇ」と工藤さんが言う。言われてみれば確かにそうだ。
残念だが、ここはおとなしく諦めるしかない。ふと横を見ると、なにやら珍妙なマシンで遊ぶ子どもの姿が目に入った。
とうがらし、関係ない
広場の片隅にある「ごじゃっぺスロット」と書かれた手作りのスロットマシーンが、異様な存在感を周囲に放っている。ついフラフラと引き寄せられた。
さらに、その隣では「とちぎ弁カルタ」なるものが販売されており、カルタ取り大会も行われていた。
とうがらしはどこへ。
ほのぼのとしたお祭りだな…という目で会場を眺める。フォーラムはまだ2回目だっていうし、きっとこれからどんどん規模が大きくなっていくんだろう。
…が、まだ終わったわけではない。むしろこれからだ。
質問攻め
会場の一画に、白衣を着た「とうがらし迷博士」なる人物がぽつーんと座っているのを発見。
普段は、とうがらしの生産や販売に従事しているという吉岡さんは、こちらが投げかけるどんな質問にもきちんと答えてくれた。
いわく「ダイエットにはよほど大量(1日3グラム位)に食べないと効果はない」とか「ししとうやピーマンと先祖は同じ」とか「純粋な品種はないから、たまに突然変異的な物が出来たりする」とか「ピーマンのフワフワした部分がカプサイシン」とか「辛さは痛さだ」とか。
実際にとうがらしを使って説明してくれたりして、とても勉強になった。
「ありがとうございました」と博士にお礼を言って場を離れる。広場に戻ると、楽しみにしていた「とうがらしロシアンルーレット」が今、まさに終わったところだった。ショック…。
もう我々に残されたミッションは「食べる」しかない。
怒濤の6連発
そもそも、大田原へは食べるためにやってきたのだ。どんなに辛くとも、どんなに翌日トイレでつらい思いをしようとも、本来の目的はそれだったはずだ。
ならば、誰に遠慮が必要か。はばかることなく食べてやろうじゃないか。6品目、連続でいきますよ!
このコロッケが本当においしかった。ちょっとだけ辛いことは辛い。でも「辛さはあくまで調味料の一部」とでも言いたげな、主張しない辛さなのだ。
工藤さんも「これ、普通においしいですよ」と言っていた。うん。辛さは控えめだけどとうがらしの存在感はある。風味も十分すぎるほどにある。とうがらし自体がおいしいと、こういう物が出来てしまうんだろうか?
続いては、朝から気になっていた「とうがらしジェラート」に挑戦してみよう。果たして「冷たい物を食べながら発汗」という珍現象は起きるのか、起きないのか!