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ひらめきの月曜日
 
家にある「いらないもの」の正体がみえた

焼けてる……

さてどうなることかと見守っていると、7、8分で記事に焼き目がついてくるじゃないか。本当のことをいうと、壺を熱している時点では焼ける気がすっかりしなくなっていた。いくら壺が熱くなっても、ものが焼けるほどではないだろうと思っていたのだ。

それは集合した侍たちみんなも薄々感じていたようで、焦げ目が着き始めたときは皆一様にお腹の底からうなっていた。

おおお……。

よく見ると、焼き目がついただけじゃなく明らかに生地が膨らんでいる。これ、いけるかもしれない。


生地が膨らみ、焼き目がついてきた。おおおおお。 15分経過。かなりしっかり焼き目が!

これは、ナンだぞ!

さて、15分経過したところでかなりいい感じの焼き色がついてきたナンだったが、なぜかそこから進行が止まってしまった。

炭の力が弱くなってきたのだろうか。あともうちょっと焼きたいんだけど……と、ねばっていたら25分が過ぎてしまい、さすがに焼きすぎだろうとここで焼きは終了。

表面は焼けているのだが、中まで火が通っているだろうか。


「うわ、はがれない」と焦ったが、落ち着いてはがしたらぴりぴりきれいにはがれた ナン、とれた!

形はなんか驚いてるときの吹き出しみたいな形だが 中までちゃんと焼けていた

あ、南部せんべい。

生地は前回石鍋で焼いたときと同じ粉の配合にしてある。あの時はておてもおいしく焼けたのできちんと焼けてさえいれば最悪、まずいということはないはずだ。あむあむあむ。

おや? あむあむあむ。これは……。

「美味しい……、けど、ナンじゃないですね」

そうなのだ。ナンじゃない。じゃあ何だ。状態としては、外はバリバリ。中はふわっふわというよりもややもっちりした感じ。パンでもないし、何ともいえない炭水化物になってしまった。でも、決してまずいわけじゃない。どちらかといえばむしろ美味しい。

「あ! これ、南部せんべいだ。南部せんべいのあのはじっこのところですよ」

全員が、あっ! となった。そうだ、これ、南部せんべいだ。南部せんべいのあの周囲のパリパリしたところだ。

だいたいナンというのは強火で5分もかけずにワーッと焼くもの。それを今回は25分もかけて遠火の弱火状態でじっくり焼いてしまったためこんなことになったようだ。

「ナン部せんべいですね」工藤さんが言って、一同また「あー、そうだねえ」となっていた。


カレーは一から作る自信がなくレトルトを持参。カレーにつけたら一気にそれっぽい味になった。さすがカレー 侍改め、ナン部の面々はみな喜んで食べてくれましたよ。「カレーっておいしいね」といいながら

夢はかなった

壺でナンは焼けた。ナンにはなってないかもしれないけど、それらしいものは。精進すれば完全にナンが焼けるという可能性も見えてきた。

いやいや、でも私としては壺で何か食べ物が作り出せるという事実を目の当たりにできたのでもう何も言うことはないのだ。だって、壺だよ? でかい壺だよ?


最後まで焼き色が着かなかった1枚はバーナーであぶったら、見た目はいいものの苦い味になってしまった

そして割れたでかい壺が残った

ナンとカレーを堪能し、おなかいっぱいになった。食べて一息ついていたら日が暮れかけている。片付けをして、荷物をまとめる。壺はまた台車に乗せた。

ヒビが入ったものの、壺は割れるでもなく普通だった。さすがでかい壺。丈夫だ。というわけで、今も壺は私のそばにある。さて、どうしよう。また熱したら割れてしまいそうだし、ヒビが入っているので水甕としても使えない。

いよいよでかい壺をどうしていいか分からなくなったけど、「割れたでかい壺がそばにある」ってそんな状態も楽い。「でかい壺」。言葉だけで面白いと思ったけど、実物もおもしろいです。

買出しの際、壺ならやっぱりタコじゃないか、という雰囲気になりタコも用意していた。普通にバーベキュー台で焼いて食べました。美味しかったです。

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