ばちっ、と音がした
壺に炭を移して1時間。交代でうちわで壺に空気をおくりつつ、乙幡さんや高瀬さんの企画の撮影をしたり、企画に関係なく肉やらソーセージやらを焼いて食べたりしていた。
あれは、確か乙幡さんの企画でハチミツにつけた鶏肉の試食をしていたときだっただろうか(その記事はこちら)。美味しいとか、これはちょっと……とか盛り上がって食べているとき。ばちっ、と音がした。割と大きな音だったと思う。
ばちっ。
「ん?」
「なんか、音しましたね」
「壺……ですよね」
「割れましたかね?」
一瞬試食の手を止めて(この間も確か高瀬さんがうちわで壺に空気を送っていた)壺を見るが、変わった様子はない。結局流れるように話題は試食に戻っていった。
思えば、壺が割れたと思いたくなくてそのときは大きく騒がなかったんだと思う。この後、ナンが焼きあがってからよく見たら、底の方から三分の一ぐらいの高さまでしっかりヒビが入っていた。やっぱり壺は、割れた。 |