うつろ舟と健康増進
電話を切ってすぐ、進行方向の右側にそれっぽい物が見えた。「木製で斜めに配置しています」と健康増進課の方も言っていたので、これで間違いないだろう。
モニュメントを説明する解説文のような物があるはずだ。
モニュメントと思われる物の周辺に「うつろ舟伝説」の解説文はなく、代わりに注意書きがあった。 遊具?
モニュメントだと勝手に思い込んでいたが、もしかしたら「うつろ舟」を模した遊具だったのかもしれない。
僕は3時間半かけてアスレチックをやりに来たのか? 意地になって周囲を探したら、ようやく解説文を発見した。
これがあればモニュメントとしての役割りを認める事が出来る。遊具を兼ねたモニュメント。この解説文に新しい発見があるはずだ。
解説文の中に目新しい情報は見当たらなかった。全部事前に知っていた内容だ。
仕方ない。 遊具で遊ぼう。
うつろ舟伝説は市民の健康増進を促す遊具として活躍していた。
また3時間半かけて東京に戻らないといけないなんて、信じられない。
結局、「うつろ舟伝説」についての新しい発見はなかった。しかし、遊具の解説文に「この話しの舟は、今日のUFOか潜水艦の類と考えられます。SF的には、未来人の乗ったタイムマシンや別の次元の人かもしれません」と書いてあった。200年も前の出来事である。うつろ舟はUFOもしくはタイムマシンだった、って事でいいんだと思います。