何を買えばいいのか

散々飲み散らかした後に残されたものは「何を買って帰るべきか」という難しすぎる問題だ。正直、店ごと買い占めたい。全部欲しい。全部。

思えば、私の油好きは今に始まったことではない。数年前、林さんの「萌え萌え業務用」という企画に付いて行ったときも、合羽橋で業務用巨大ピーナッツ油を購入した過去がある。

ここはやはり、大好きな落花生油は当然セレクトから外せないだろう。

「とりあえずコレは絶対に買おう」と決めたものだけで、あっというまに両手が塞がった。

何かが切れた

こうして写真を見る限り「落ち着いて買い物をするんなら、とりあえずカバンを肩から下ろしなさいよ」とアドバイスのひとつでも送りたいところだが、この時はそれどころじゃなかったんでしょうね。そして、周囲もそれを指摘できる雰囲気じゃなかったんでしょうね。

金田油店さんはネット通販にも力を入れている。どうしても欲しいのなら、後からネットで購入するという手もあっただろうに、なんだかもう加速が付いて止まらなかった。いや、止められなかったと言った方が正しい。

このクルミ油（ウォールナッツオイル）、フランス産で１リットル3,360円もする。これって個人が買っていい量と値段なのだろうか。

悩んでいると、青木さんが「小分けにしましょうか？」と嬉しい申し出をして下さった。が、それを振り切って「いや、これ１本いただきます！」と宣言する私。

明らかに暴走している。対象物が油だけあって、燃料には事欠かない危険極まりない状態だ。

そういえば林さんは…と見ると、ラー油やゴマ油など、小さめのビンを数本選んだのみだった。これぞ分別ある大人の行動と言えよう。

さすがの私も「これ以上この店にいたらヤバイ」と脳がようやく察知したのか、ついに「これで会計してください」の声が出た。

覚悟はしてきたが（わざわざお金をおろして来た）総額が6,300円と聞かされたときは「やりすぎたか」と一瞬我に返らざるを得なかった。油だけで6,000円以上って、どこの店の仕入れ価格だろう。

すると青木さんが「落花生油は最初からプレゼントしようと思ってたので、これ持ってってください」と大きな缶入りのと交換してくれた上に、なんと「５千円でいいです」と大幅すぎる値引きをしてくれた。

「いやいやいや！」と固辞するものの、最終的には「本当にありがとうございます！」と頭を下げた私である。ああ、どんなに人から「アブラ、アブラ」と馬鹿にされようが、当サイトで「油が好きだ！」と書き続けて良かったなぁ…と思わずにいられなかった。