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驚きの第一試合
琉球伝統芸が終わるとおもむろに会場が暗くなり、同時にリングアナウンサーがもったいぶって対戦カードを読み上げる。
「青ーコーナー、魅惑のー果実ー、ゴォォーールデンパァーーイーーン」 |
いよいよ選手入場だ。 |
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あ、誰かいる! |
んばー。 |
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ゴールデンパインの登場は衝撃だった。びっくりしすぎて言葉にならない。かわりに写真をいくつか提示させていただくので想像してもらいたい。キャラ設定はおかまちゃん、だ。 |
ゴールデンパインよ! |
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衝撃といえば赤コーナーのアグーもすごかった。なんてったって元キャラはブタだ。客席とのハイタッチの後、リングに上がるといきなり四つんばいになる(だってブダだし)。
二人の登場で会場の空気はより複雑になっていく。この空気の中でおのれのキャラを貫き通すこの人たちの心の強さは本物だ、と思った。 |
対戦相手のアグーも出てきた。 |
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観客とハイタッチ。細かく見ると中指と薬指の間があいている(ブタのヒヅメを表現していると思われる)。 |
そしてリングに上がると四つんばい。だってブダだし。
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しばしの沈黙の後、試合開始を告げるゴングが鳴ると、まってましたとばかりにパインとアグーによるコントがはじまった。おかまキャラのゴールデンパインがアグーの股間を執拗に攻める。
・・・。
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粛々と進行するコント。少し笑う、客。 |
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一気に加速するリング
思わず席を立とうとした瞬間、観客の笑顔が引き締まった。なんだ、と思いリングを振り返ると今までおかまだったゴールデンパインがアグーをチョークスリーパーで締め上げているではないか。さっきまで仲よさそうだったのになんでだ。パインは身の軽さを武器にアグーを攻め、フォール寸前まで押さえ込んでいる。
これを引き金に、試合は本気モードへと一転した。
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締められ。 |
投げられ。 |

だ、だいじょうぶっすか。 |
「バッターーーーン!」
これまでやられっぱなしだったアグーがゴールデンパインをもちあげ、最上段からリングにたたきつけた。ちょっとだけパインがうめく。しかしアグーは巨体を活かしてそのままパインを押さえ込みフォール。リング下にまで落とされたパインはなかば失神。で、勝負あり。
なんだこのメリハリ。後半のスピード感は出だしのコントをすべて忘れさせるインパクトだった。試合時間は12分ほどなのだが、10分コント、2分ガチンコという配分だろうか。とにかくふざけから本気への振り幅が広すぎる。そんなとにかく驚きの第一試合だった。
しかしめくるめく沖縄プロレスの魅力はここから炸裂したのでした。 |