うまい!
手ですくって飲んだこの弁財天の水、これが他の二つに比べてはっきりとうまかった。同じ地域の湧き水の味の違いなんてわかんないと思っていたのだが、ここの水は明らかにまろやかなのだ。そして旨みやコクがあるような気もする。コクのある水ってなんだ。
亀や龍の石像から出てくるというイメージ的な問題は置いておいて、先に飲んだ水も十分にうまかったのだが、なんというか湧き水独特の微妙にざらついた砂っぽい感じがあったのだ。しかし、この水にはそれが一切無いのである。
湧き水に詳しくないのでこれが正しい見解なのかはわからないが、ここの水がまろやかなのは、自然に湧き出たところで一旦池に溜まるため、岩盤を通ってきた水の中に含まれていた細かい砂が、沈殿した状態で飲めるからだと思う。旨みやコクの成分は溜まった落ち葉のダシだろうか。
また溜まっている分だけ、少し水温が高かったのも味に影響しているのかも知れない。
あと付け加えるならば、この水を探して歩き回ったために、喉がカラカラに渇いているという理由もあるだろう。 |