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フェティッシュの火曜日
 
高級珍味、からすみを作りたい

比較対象が必要だ

できあがったからすみ、これだけを食べても本当にこれが正しいからすみなのかが判断つかないので(素材がタイの卵という時点で正しくないが)、思い切って比較用にからすみを買うことにした。とはいっても、さすがに三万円のは買えないので、オーストラリア産のボラからすみスライス、13グラム1,575円のを購入。


私が今までに買った食べ物の中で、グラムあたりの金額が一番高いぞ。

ついでに、できあがったからすみを、酒粕と味噌をみりんで伸ばしたものに漬けた、からすみの粕漬けも用意してみた。


魚介類を味噌とか酒粕に漬けるのは楽しい。

 

試食してみよう

用意した三種類のからすみを、大根と一緒に皿に盛る。からすみといえば大根なのらしい。もちろんちょっといい日本酒も用意した。


左から酒粕漬け、市販品、手作り。生ハムみたいでかっこいい。

手作りのからすみと市販品を食べ比べてみると、やっぱり結構別物だった。まず干し加減がぜんぜん違っていて、市販品は水気が少なく、よりぎゅっと詰まった感じである。

手作りのからすみは干す時間が短かったのか、塩っ気が足りないのか、あるいは根本的に素材が違うからなのか、比べると水分が多くて柔らかい。からすみというよりはタラコをイメージさせる歯ごたえ。

卵のツブツブも、大きさ自体はだいたい同じなのだが、市販品は一粒一粒がしっかりとしていてる。だからといって、市販品のほうがおいしいかというと、どっちもおいしい。

からすみとしてどっちが正しい、正しくないという問題はあるかと思うが、それはよくわからないので不問としたい。


どれもうまい。

粕漬けにいたってはさらに水分が多く、普通のからすみよりもマイルドな味。プロレスとレスリングが違うように、普通のからすみとは別のルールになっている。

普通、粕漬けにすると味の個性が強くなるものだが、からすみは元々の個性が強いので、逆に食べやすい味になったようだ。そして一緒に食べる大根が酒粕のおかげで奈良漬けっぽくなってとてもうまい。お得である。

 

食べ比べ結果

食べ比べた結果を表にまとめてみた。


市販のからすみ 水っぽさがないので酒が進む。ねっとりしていて歯に詰まるところは羊羹みたいだ。高いやつだとまた味が違うのだろうか。しょっぱくてうまい。
手作りからすみ 市販品と同じベクトルを向いている味だが、一人っ子の家庭と大家族の家庭で作るカルピスのように、味の濃さが違う。しょっぱくてうまい。
からすみ粕漬け からすみに酒粕というエンターテインメント要素が加わったことで別の食べ物になっている。おにぎりの具にしたら最高だと思う。しょっぱくてうまい。

どれもしょっぱくてうまい。日本酒との相性はさすがに最高。味に甲乙つけがたし。からすみに貴賤無しだ。

食べ慣れていないものは、味の違いがよくわからない。


 

 
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