家であることの厳しさ、そして甘え
ところでさっきから妙に暑い。ずっと火のそばにいるからだろう。そして微妙に風通しが期待できないのが難点だ。玄関開けっ放しならびゅーびゅー風が通るんだが、快楽と防犯を交換はできない。
気分を変えて、さきほどの「鯖のオイル煮」。せっかくなのでパンに載せて食べようかしら。うふふ。
あらためてここまで原稿を見返してみたら、食べてばっかりやんけ。
しかしさすがに缶詰はみな味が濃いめなので、そろそろ飽きてきた。さっきから5缶も開けている。1缶につきビール1缶開けねばならないとしたら、5缶飲まねばならない。楽しい計算だ。いやいや、どういう計算だ。仕方がないので、冷蔵庫にさっと行って葉っぱをとってきた。
そう、ここは家なのだ!「あ!氷買い忘れた!」だの「あ!コンロのガスがもうない!」と言って、じゃんけんで負けた人あるいは最年少の人が買い出しに行かなくてもいいのだ。必要なものは、すぐそこにある。しょっぱなから焼き網を買いに走ってはいますが。
飛行機のファーストクラスの、お皿にちゃんと載せて出される機内食にも憧れるが、私はあのエコノミークラスの「一挙掲載!」な機内食も大好きだ。
BBQでも、スペアリブを豪気に焼いたり燻製器使って自家製燻製、というのも憧れるけれども、こういうミニマムな展開にもいとしさを感じる。「おままごと」感覚が魅力的なのかもしれない。
これはこれで楽しかったので、今度は野外の開放的な雰囲気の中、ちまちま缶詰を温めてみたい。