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フェティッシュの火曜日
 
何でも食べ物に見える

ラマダーンならあと少しで食事どきなのに

断食も盛り上がってきた昼下がり。すきっ腹を水で補ってだぶついた体を引きずり、外に出てみる。


今見たらすごい「くま」だ。

下向き加減に歩いていると、すぐさま目に飛び込んでくる歩道の敷石。敷石の色味、形状がどうにもあるものを連想させる。敷石・・・。

以下、左側の映像に対して右側に心象風景である。
生チョコだなあ・・・。
この微妙な色合いの敷石は・・・。
こんなラムネあったなあ・・・。
おお、この扉は、もはや・・・。
板チョコしかあるまい・・・。
どこにでもある衛星放送受信アンテナ、そう、ご存知・・・。
かつて「どん兵衛」のCMでも、山城氏と川谷氏が中華鍋をアンテナ代わりにしていたなあ・・・。

と、多少ありがちな想像ではあるが、その気になれば近所は「食べ物の街」だ。遠くのテーマパークに行かなくても十分なくらいワンダーランドなのだ。あー楽しいな。

ところで想像力というのは不思議なもので、例えばこんな光景。


最近の消しゴムは・・・ってこれ「消し」ゴムか?

文房具売り場では、食べ物そっくりの消しゴムを売っている。こんなものを見てしまったらさぞや乙幡さんもつらいだろう・・・と思いきや、頭はしっかり「これは、ゴム」と認識するのか、それきり心は穏やかだ。たぶん食品サンプルを見ても同じではないか。

よく似せたものを目の前にしても、脳はあっさりとそれらをやり過ごすが、「ん?これってあの食べ物にちょっと似てないか・・・」と脳自身が食べ物のイメージを描き出すと、それはより強く実感として迫ってくる。そう、「北風と太陽」のような話だ。具象よりも抽象という典型的な例である。

などとごたくを並べている場合か。腹減った腹減った。また目がかすんできた。


はい、皆さんも、せえの、・・・。
最近は「小枝」じゃなく、太い枝だった。「小枝も太くなりました!」って書いてある。

ハト、いいな、食べ物食べられて・・・。

ある日のデイリーポータルZラジオ収録現場にて。ん?ああ、電池か・・・。
4本パックか・・・。
4本パックならチーかまか・・・。
そういえばこの前食べた居酒屋のソーセージうまかったな・・・。
某百貨店の中の某高級ブランド店舗の壁が・・・。
ようかんに見えるのだ。
何かを超えた瞬間。

余談だが、こういうときに夢想して激烈に食べたくなったものは、後日どうしても一度食べないと気がすまない性質である。非常にやっかいだ。食べ物の残留思念が、時を経て顕在化するのだ。柔道でいうところの「7年殺し」みたいだ、と思ったが、全然違うぞ。


 

 
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