ダイエットの一環として、たまに断食(ファスティング)をしている。日ごろ食べ過ぎがちな自分を戒めるため、また味覚をシンプルなものに戻すため、胃の中をゼロにしてリセットするのである。
断食の日は、朝起きてから夕方までは「へへん、食べなくても楽勝だぜ」くらいの気分でいられるのだが、夕方を過ぎたとたんもうダメだ。どうごまかして食物を摂取してやろうかという下衆な気分だけが、脳を支配する。
そんな脳が、見るもの見るものから食べ物を想像する、その様子をレポートしたい。これは割と実話である、念のため。
(乙幡 啓子) |