が、困った。今日の目当てはお茶だったのだ。目的も達成してしまったので何聞こうかと焦った。なんだい?と声をかけられてインタビューの旨を伝えて、さあどうしようか。とっさに出たのは「持病はありますか?」という質問だった。
「持病ねえ‥‥。」と考えをめぐらす蛭見選手。人生の先輩に大変失礼な質問をぶつけてしまい、恐縮の沈黙時間だった。「‥‥そうだなあ、頭がわるいことかな。」と蛭見選手が答えて二人で大笑いした。
蛭見さんが仲間たちと品川トータスを始めたのが25年前。当時の創立会員は「半分くらい死んで、半分くらい動けなくなっちゃった」そうだ。家では趣味の俳句や絵画をしたりしてるが「止まってる球打つのはおもしろくねーよ」と体を動かすのはもっぱら野球である。
「あいつは新日鉄で、あいつは明治で」と教えてくれた蛭見選手だが野球経験は少ない。「昔の子どもはみんな野球やっててそんくらいしかしてない」蛭見選手が元プロや元社会人野球の後輩を持っている今が何だか不思議だという。
順番回ってきたよー、と他選手から声がかかり、「とにかく健康にいいよ。頭にはどうかわかんないけどさ。」と語って蛭見選手はバッターボックスに入っていった。 |