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フェティッシュの火曜日
 
おじいちゃん達の野球チーム

ジョギングでは長い列ができあがる

ジョギングの列が長い

「じゃあゆっくり2周!」と監督から練習メニューが告げられ、みんな一斉にグラウンドを走り出す。多くの運動部で見られる風景だけど、違うのは列がやけに長いこと。

といっても、手を抜いているわけじゃなさそうだ。2周が終わるとヒーハーと息の音が聞こえてくる。選手たちは自分の走力を考えて各々のペースを作っていて、老いとつきあいながら野球をする還暦野球を実感する。

 

ダッシュ。走力は年齢で落ちやすいところ。

ダッシュ終わりに奇声が上がる

「3本!?2本にしよーぜ!」と文句を言いながらも、ピッ。と笛が鳴ると懸命なダッシュを見せる選手たち。一回に5人くらいが並んでスタートをする。距離は7、80mといったところか。遠目には普通のダッシュ練習だが違うのはここでも音だった。

走り終えると「フーショー!」とか「ヒアー!」とか体を起こす奇声が上がる。「ヒャー!」も「ハー!」も「ホー!」もあって、ハ行の奇声が毎回聞こえる。ダッシュなんだけど聞こえてくるのはなんだかお祭りの音に似ている。

 

いよいよ水分補給

ダッシュが終わると「水補給ー!」と監督の指示が飛ぶ。練習開始から10分。早い。さすがにみんな飲みたいわけではないだろう。水分を摂っておけ、という安全面での配慮か。

さて何を飲むのか。


ホットのお茶だ!

 

やっぱりお茶だが飲み方が違う

「みんな基本は(冷たい)水とかお茶だね、今日はあついお茶だけど。」と語る和泉会長が飲むのはやはり熱いお茶だった。だが勝手にイメージしていた「すする」ではなく、「グイッといってアーと言う」という運動してる人が熱いの飲むとこうなるんだろうな的な飲み方だということが分かった。来てよかった。

「まあね、何でもいいんだよ。」先に練習に入る選手たちを見つめる会長。「水でも、お茶でもさ、レモン入ってるやつもいるしな、さあ行こう!」とグラブを手にとりグラウンドへ駆け出していく。

か、かっこいい。この「レモン入ってるやつもいる」と「さあ行こう」の間隔がすごい短くて、急にスイッチが入った感じがめちゃくちゃかっこいい。

休憩中って何飲んでんの?なんてこちらのくだらない質問にも丁寧に答えていただいた後に急激なかっこよさ。しびれる。アップダウンに打ちのめされる。

 

聞けば元大学野球やら元社会人野球の選手が多いという
休憩中はもちろん練習中も笑いが絶えない

落ちてない技術

キャッチボールやあてるだけのバッティング練習。選手による差こそあれ、みんなきれいなフォームで投げている。

後に聞いたところによると、落ちたと感じる能力は「走ることと投げること」で「バッティングなんかはまだまだみんな上手い」という。「上手くなろう、じゃなくて、下手にならないために練習してるんだからさ。」と取材前に和泉会長が笑っていた。

おじいちゃんたちがきれいなフォームで投げたり打ったりしてる姿は相当かっこいい。左利きのギターがかっこいいという話と似ているのだが、説明するのが面倒になってしまった。とにかくかっこいいんだ。

グラウンドからはパンパンとキャッチ音が聞こえてきて気持ちがいい。近距離での20球でしめて水補給に入る。

病院とグラウンドとの距離が近い

ベンチから携帯で「今日おねがいできますか?ちょっと痛めちゃって。」と病院の予約をとる選手もいる。オイース!と遅れてやってきた選手は「病院行ってたんだ、病院!大人の病院だよ!」と言ってみんなが笑っている。

「どうも!」の後に「体調どうですか?」と質問がある。胃カメラとかCTとか医療用語が聞こえてくる。もう少し聞いていると必ず笑い声が聞こえる。グラウンドと病院の距離が近い。けれどみんなそれを笑っている。こう付き合っていくのか、と単純にすごいと思った。


練習着は自由。ドジャースの選手もいてかっこいい。

 

 
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