● フリーハグ決行!
で、しばらくただ黙って立っていたのだが、あまりにも見込みがなさそうだったので、ちょっとだけ攻めてみることにした。なにしろ田舎の人はシャイなのだから。
というわけで、意を決して村のメインストリートを闊歩してみました。
原稿を書きながらあらためて写真を確認すると、ますますハグされにくい状況に陥っているとしかおもえないが、このときはけっこう必死であった。普段の自分であれば、手に持った紙を見せながら外を歩くというのは簡単にできる行動ではないのだが、正面をしっかりと見据え、足取りも一歩一歩着実である。人間ふっきれる瞬間というのがあるものだ。寒さでマヒしたと言いかえてもいい。 だが、住民の反応は依然として芳しくない。
すごく犬に吠えられて凹んだ。ときおりすれ違う車から訝しげな視線を浴びせられた。前から歩いてきた女性がぼくに気づくと急に道を渡った。淋しかったが、どれも健全な反応だという気はする。
どうやらここでハグは望めそうにない。場所を変えてみよう。 もう少しだけにぎやかな街がいいな。