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ひらめきの月曜日
 
グルメライターと行く『本物のグルメV.S.B級グルメ』対決!

どんぶり対決編


お店の外観。民家をリノベーションして隠れ家的なお店を作ったそうです。

このフカヒレを丸々使っちゃうそうです。仕事とはいえいい思いをしてほんとすみません。どのように調理するかというと…

充分に下ごしらえしたフカヒレを鍋で一気に炒める。フライパンをすべるフカヒレ。豪華な使いかただなぁ

まずは小石原さんのおすすめどんぶり店へ

グルメライターの小石原さんに連れられ、白金へ。ライターという職業柄、結構行動範囲は広い、と自負してきたつもりだが、白金は歩いたことがなかった。

梅田「小石原さんはよく白金とかに足を運ぶんですか? いかにもグルメなお店がありそうな街だなーと思いまして」
小石原「事務所が近いのでわりと来るほうですかね」

白金台の駅から、いわゆる「プラチナストリート」を抜けて自然教育園がすぐ目の前に見える立地。隠れ家的なお店はこういうところにあるべきだ、という立地だ。同じように人生を生きてきて、どうしてこういうお店を知っているんだろう、すげーなーと思った。

小石原さんのおすすめは「食文化サロン 白金劉安」というお店のコラーゲンたっぷりフカヒレ丼。「どんぶりもの」と聞けば、牛丼や親子丼とかを思い浮かべる自分の庶民感覚からは、フカヒレ丼と言う言葉が出てこようとは思いもしなかった。フカヒレがまるまる入ってる、ってそれはもはやどんぶりの域を超えているのでは?

白金の民家を改装して4年目。お店のお客さんはリピーターが多いらしく、肌に良いとされるコラーゲンを目当てに女性のお客さんが大半らしい。フカヒレには、コラーゲンのほか、女性が不足しがちな鉄分、そしてこれまたお肌の形成によいとされるビタミンCが含まれている。

オーナーにご挨拶をして、厨房での料理風景を撮影できることに。

厨房にあったのは見たことのない大きさのフカヒレ。炒める前のフカヒレを写真に撮らせてもらう。こんな大きいフカヒレをそのまま見たのは人生で始めてかもしれない。

梅田「こちらのフカヒレはどうですか?」
料理長「今年はフカヒレがあまり市場に出回ってないんですよ。だから値段があがってますね」
梅田「この姿煮のメニューは限定何食とかですか?」
料理長「そんなことないです。いつでも注文してもらえれば」

料理長は静かに姿煮の調理を始めた。

≪調理のこだわり≫

フカヒレをそのまま姿煮するので、あまり調理そのものにはこだわらない。ただし、その分下ごしらえには細心の注意を払う。フカヒレにはアンモニア臭を含む独特の臭みがあり、この臭みを時間をかけて抜いていくのが調理人の腕の見せ所だ。。そうやって、ていねいに下ごしらえしたフカヒレを、余分な調理はせずに炒める。炒めるときのポイントはできるだけ時間をかけないこと。時間をかけるとせっかくの大きなフカヒレが縮んでいってしまうことだ。こうすることによって、今にも口の中でとろけそうな、贅沢な姿煮が完成するそうだ。やー、この仕事やってて良かった。では、試食タイムです。


小石原さんのオススメどんぶり

白金劉安の「白金フカヒレ姿煮丼」


白金フカヒレ姿煮丼(フカヒレスープ、杏仁豆腐付き) 3,900円

“綺麗な油”という言葉があるが、綺麗な味。味が澄んでいる。化学調味料を使っていないからだろう。安心な味。おこづかいが潤沢なら毎日でも通いたいところ。「外でご飯を食べた」という満足感が得られる。デート向きかも(小石原)
はじめてフカヒレをまるまる食べた。フカヒレってこんな味なんですね。そして、すごく優しい味だ。うまい。自分の怠惰な食生活が悔やまれる味。にしても高いランチだなぁ(梅田)

収まりきらない写真たち

(写真左上)フカヒレに目がいきがちだが、ご飯も特製の十穀米を使用。
(写真右上)どんぶりにセットでついてくるフカヒレスープ。フカヒレがはっきり確認できる豪華なスープ
(写真左下)デザートの杏仁豆腐。口の中に入れた途端とろけるような優しい食感。
(写真右下)内装。民家をリノベーションして、わざと少し汚したらしい。

食文化サロン 白金劉安
東京都港区白金台5-13-35
03-3448-1978
12:00〜14:30L.O.  17:30〜20:30L.O.
月曜定休
https://www.shirokane-ryuan.com/

 

なか卯

食券に戸惑う小石原さん

黄身の色が濃いたまご

梅田のおすすめどんぶり

続いて一行は梅田のおすすめどんぶりを味わうべく移動。

梅田「小石原さん、僕、もう負けでいいです。今回おすすめグルメ対決はやめて、『美食家小石原さんと行くグルメ紀行』ってタイトルでいいんじゃないでしょうか」
小石原「それだとデイリーポータルZっぽくないですよ。やっぱり梅田さんのおすすめのお店も回らないと」
梅田「フカヒレ丼のあとはきついなぁ」

先輩のライターに励まされつつ向かった先、それはなか卯。

小石原「ここですか?」
梅田「なか卯の親子丼が僕のおすすめどんぶりです」
小石原「なか卯の親子丼は一度食べてみたいなーと思ってました」
梅田「なか卯の親子丼は490円もするんですよ。牛丼が300円代で食べられるのに。これはこだわりと呼ばずして何と呼びますか!」
小石原「梅田さん、ちょっと元気が出てきましたね」

店内で食券を買う一行。小石原さんが食券の前で戸惑っていた。あまり食券機を買うお店には行かないそうだ。

梅田「あ、これはこうやって、こう買うんです。このボタンを押せばまとめ買いもできますよ」
小石原「なるほど」

先ほどのフカヒレ丼のお店では萎縮していた僕だが、なか卯では僕のほうが常連だ。先輩の小石原さんに食券の賢い使い方を教えていたらなんだか嬉しくなってきた。貧乏学生のデートみたいだった。

梅田「なか卯のこだわりは卵なんですよ。ほら、黄身の色が濃いんです」
小石原「ああ、本当ですね。これはなんで?」
梅田「わかりません。いい卵を使っているんですよ。僕はこの生卵をうどんに入れるのが好きです。ぜひ試してみてください」

なか卯に入ってからは急に饒舌になっているのが分かる。実は自分はすごくなか卯を愛していることに気づいた昼下がりだった。


梅田のおすすめどんぶり

なか卯の親子丼


税込490円。

タマネギと鶏肉を火を通して下ごしらえしておき、あとから卵を加えて調理しているようだ。提供時間を考えてのことか。学食のうまいやつみたい。コクがあってとろみもちょうど良い。惜しむらくはご飯が少し柔らかすぎるところ。(小石原)
うまい。いつもの味だ。フカヒレ丼と比べると確かに劣るが費用対効果ということを考えてほしい。親子丼を考えた人は天才だ。ああうまい。僕の舌にぴったり来る味だと思った。ちなみに、なか卯の中でも笹塚のなか卯がおすすめ。(梅田)

 

 
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