別世界に行ったみたいでした
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(Photo by 吉崎貴幸) |
取材を終えた僕たちは、島から伸びるもう1つの道路を使って城南島から東京の市街地に戻ってきた。
そのとき、何か別の世界からワープしてきたような印象だった。
お台場に「東京テレポート」という駅があって、テレポートと言えば直訳すると瞬間移動だが、この島を渡って城南島から大田区に入ってきたときは、確かに時空を越えてきたような気分だった。
書きたいことがいろいろあってどうまとめていいかわからない。かわりに、車中でカメラマンと繰り広げた会話をまとめの文としたい。
カメラマン吉崎「梅ちゃん、この記事、どうやってまとめるの?」
梅田「うーん、期せずして社会派になってしまったなー」
吉崎「考えさせられる取材だったね」
梅田「でも、環境のことをもっと考えよう、なんて記事には絶対したくはないよね。そんな安いこと言ってるやつが昔から大っ嫌いでさー。絶対そいつもゴミとかばんばん捨てるくせにね」
吉崎「あはは」
梅田「でも、人間ってすごいなーって思ったよ。だって、ゴミで海を埋め立てて島を作っちゃうんだよ。さらにそこに家建てて住もうとしてるんだから。動物からしたら『その発想はなかったわ』って感じだと思うよ」
吉崎「うーん」
しばし沈黙。
梅田「言えることは…貴重な体験が出来て良かったってことかな。みんなも機会があったら体験してほしいよね。埋立地のレジャー施設に行ってる奴らなんかよりよっぽどいい体験が出来たよ。ディズニーに何度も行く暇があるなら、一度でいいからこの場所を見学してほしいよね」
吉崎「東京であんなきれいな夕日が見えるのはあそこぐらいだろうね」
梅田「皮肉だな」
完 |