東京都江東区青梅2丁目『地先』
最初にネタばらししておこう。この島の名前は『中央防波堤』と言って産業廃棄物の埋め立て処分が行われている、つまり巨大なゴミ処理施設なのだ。
さっそくここに取材許可を取ろうと、住所を見ると
東京都江東区青海(あおみ)2丁目地先
と書いてあった。青海2丁目までは分かるが、番地が『地先』となっている。珍しい住所だ。いかにも埋立地っぽい、かつてそこには何もなかった場所に付けるような名前だ。
この場所は以前は江東区・大田区などが領有を主張していたが、どうやら江東区に帰属が決定したようだ。区によって色分けしているような地図を見ると、この島だけ区が決まっていないから真っ白ということをよく見たが、住所が割り当てられてひとまずはよかった。
どんどん海にせり出す東京、その最先端
早く現場を見たいところだが、もう一点だけ予習しておこう。今から行く中央防波堤はお台場よりさらに海にせり出したところに位置する。こうやって地図を見るとかつては東京の先端にあった築地から少しずつ、地層のように埋立地がせり出してきているのが分かる。晴海(埋め立て完了1929年)、豊洲(1937年)、有明、お台場、そして中央防波堤。
『このまま行くと東京湾中が埋立地になったりして』なんてことを冗談で話すことがあるが、築地が埋め立てられたころの江戸時代、当時の海岸線から遠く離れた中央防波堤の場所が埋め立てられる、と聞かされたら冗談としか思わなかっただろう。 |