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ロマンの木曜日
 
喫煙セラピー

とある日曜日、娘と二人で近所のデパートで遊んでいた。そのデパートにはアミューズメントスペースが併設されていて、ボールパークがあったり、キャラクター物の遊具があったり、カードゲームがあったりする。そこに連れて行けば娘は満足してくれるので重宝している。娘はラブ&ベリーをやったり、たまごっちをやったりしていつも通り遊んでいたが、その日は何故かドラえもんの乗り物に興味を示した。大きなドラえもんの中に入ってハンドルを操作するとゆさゆさ揺れる楽しい乗り物だ。娘をドラえもんの中に入れ、200円を入れると「こんにちは、僕ドラえもんです」とドラえもんの声が聞こえてきた。そこで僕は気付いてしまった。

あ、大山のぶ代。

ドラえもんの声が大山のぶ代さんのままだったのだ。今から約2年前、ドラえもんの声優陣は一新されている。今、ドラえもんの声を担当しているのは水田わさびさんである。それなのに、僕の近所のドラえもんは未だに大山のぶ代さんのままなのだ。これは大変だ。子どもたちが混乱してしまう。僕の近所だけだろうか。他のドラえもんたちはリニューアルされているかもしれない。早速調査に乗り出した。

 

(text by 住 正徳



都内のドラえもんを巡る


にこにこドラえもん

これがそのドラえもんである。「にこにこドラえもん」というマシンで、裏からドラえもんの中に入る事が出来る。コックピット内には子供用の椅子が2脚あり、小さなハンドルでドラえもんを操作して遊ぶ。


ドラえもんの中で喜ぶ娘 コックピット内

「僕の中に入ってね」「ハンドルを回してね」など、ドラえもんからガイダンスがある。声は大山のぶ代さんだ。僕にとっては慣れ親しんだドラえもんの声であるが、今、テレビで流れているドラえもんの声とは違うのだ。娘はまだ小さいのでその事に気付いていない。

コインを入れるとドラえもんが動きだし、時折「ドラえもん〜」という困り果てたのび太の声が聞こえてくる。もちろんのび太の声もリニューアル前のものだ。偶然目の当たりにしたテレビと現実とのギャップ。

他のドラえもんたちはどうなっている?
都内を巡って検証していく。

まずは上野

上野のドラえもん

上野松坂屋屋上には、ドラえもんのマシーンが4台あった。それぞれ、実際に動かしてその音声を確かめていく。

1台目は前述の「にこにこドラえもん」と同様、ドラえもんの中に入って遊ぶ「ジャイアントドラえもん」というマシーンだ。大きなドラえもん。ジャイアンとドラえもんではない。


ジャイアントドラえもん 大人も一緒に乗れるコックピット

遊び方説明 液晶画面の動きに合わせてハンドルを操作

コインを入れると、「一緒に遊びに行こうよ。今日はいい天気だね」とドラえもんがユーザーを誘う。ドラえもんと一緒に散歩に行く、という設定だ。

散歩の途中、ドラえもんが困った状況に陥るのでドラえもんの道具で切り抜けないといけない。例えば「うわ、ねずみだ!どっちを使う?」というドラえもんの声と共に、タケコプターとコンピューターペンシルが画面に表示される。危機回避に最適な道具をユーザーが選ぶ訳だ。もちろん、タケコプターを選択。するとドラえもんは「よし、タケコプター!」と言って空に逃げる。その後、地上に戻りしずかちゃんと出会い、通り抜けフープで近道をして野比家に帰宅。「僕の大好物はどっちかな?」とどら焼きとお団子が出てくるのでどら焼きを選択。「大当たり!」と喜ぶドラえもん。そこでゲームは終了だ。

最後に「また遊びに来てね。楽しみに待ってるよ」とドラえもんが言ってくれる。

このジャイアントドラえもん、声の主は……、大山のぶ代であった。


上野松坂屋「ジャイアントドラえもん」:大山のぶ代


2台目は「ドラえもん大冒険」というライドマシーンだ。ドラえもんと一緒にタイムマシーンで冒険に出かける事が出来る。


ドラえもん大冒険 タイムマシーンのコックピット

操作パネル 屋上を管理する上野のドラえもん

「今日は僕とのび太君と一緒にタイムマシーンで遊びに行こう。お好きなコースを選んでね」とドラえもんが言ってくるので、「むかし」「みらい」のどちらかを選択する。「みらい」を選ぶと正面の液晶画面に未来都市が映し出され、その中を未来カーでドライブしていく。途中、アトラクションとして「ネズミ叩きゲーム」が現れるので、なるべく多くのネズミを叩きドラえもんを助けなくてはいけない。多くのネズミを叩くと、「ありがと。君のお陰で助かったよ」とドラえもんが言ってくれる。

そんな「ドラえもん大冒険」の声は……、こちらも大山のぶ代である。


上野松坂屋「ドラえもん大冒険」:大山のぶ代


上野の3台目は「ドラえもんの運転だいスキ」。車に乗ったドラえもんをハンドルで操作して、道に落ちているどら焼きを拾っていくゲームだ。障害物をすり抜け、なるべく沢山のどら焼きをゲットしないといけない。


ドラえもんの運転だいスキ ハンドルで車を操作

このゲームにもネズミが登場する。「ぎゃー、ねずみだー!」とドラえもんの慌てた声が聞こえるので、ネズミにぶつからないよう慎重にハンドルを操作していく。調子がいいと「あったまでかでか」とドラえもんの歌が聞こえたり「車の運転は楽しいね」と言ってくれたりする。

制限時間が来ると、「あーあ、時間切れだ。またやってね」とドラえもんがゲームの終了を知らせてくれる。

歌まで聞けた「ドラえもんの運転だいスキ」であるが、こちらもやはり大山のぶ代であった。


上野松坂屋「ドラえもんの運転だいスキ」:大山のぶ代


上野松坂屋の4台目は「ドラえもんSUPERてれびでんわ」。テレビ電話でドラえもんとおしゃべりが出来るゲームである。


ドラえもんSUPERてれびでんわ 画面のドラえもんとおしゃべり出来る

キャンディももらえる 操作パネル

テレビ電話をモチーフとしたゲームなので、ドラえもんの挨拶も「もしもし、僕ドラえもんです」となっている。「これから宇宙に行こうよ」とドラえもん、しかし、そこに「えー、しずかちゃんの家がいいなあ」とのび太から待ったが入る。ここで、「君はどっちがいい?」とドラえもんから問いかけられる。どっちに行くべきか、ユーザーが決めないといけないのだ。しずかちゃんの家を選択すると、「わーい、しずかちゃんの家にきまりだね」と喜ぶのび太。しずかちゃんの家に向かっている間、かわいい子犬を拾ったり、ジャイアンとスネ夫からパズルを完成させろ言われたりするので、その都度ボタン操作で対応する。ボタン操作が正しいと、「良く分かったね。凄いなあ」と大山のぶ代が褒めてくれる。


上野松坂屋「ドラえもんSUPERてれびでんわ」:大山のぶ代


上野松坂屋のドラえもんは、すべて大山のぶ代バージョンであった。リニューアルはされていない。

次は亀有に足を伸ばす。



 

 
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