デイリーポータルZロゴ
このサイトについて
東急メディアコミュニケーションズ


ひらめきの月曜日
 
第一回・声に出して読みたい駅めぐり(馬喰横山・分倍河原編)
(僕にとっては)二大行きたい街へ!!


鉄道の路線図を眺めているのが好きだ。路線図は飽きない。単純にカラフルな路線図の造形を楽しむのもいいし、それに飽きれば頭の中である路線に乗って「えーっと急行だから何駅で○○駅に着いて……」なんて頭の中で勝手に観光するのも楽しい。

路線図を見ていると気になる駅名がいくつか出てくる。特に、難読の駅名、語呂が面白い駅は声に出して言いたくなる。ちなみに現在、僕の中で一番声に出して言いたい駅名は京王線の分倍河原(ぶばいがわら)駅と、都営新宿線の馬喰横山(ばくろよこやま)駅。どちらも降りたことすらない駅だが、駅名の語呂が面白い。バ行から始まるのも、なんだか豪快な感じでいい。

いろいろ思い巡らしているうちにこの二つの街がどんな街なのか行きたくなってしまった。声に出して言いたい駅の駅前めぐり。長年の夢が、今叶うのだ!

(text by 梅田カズヒコ



ローマ字の『Bakuroyokoyama』もかっこいい。Bから始まるってなんだか外国の街みたい。
馬喰横山は問屋街だった。大小さまざまな問屋が軒を連ねる
中には、一般のお客さんを相手にしない、業者向けの店舗も多数。一般の人は入れないと思うと余計に気になる。
地名の由来に関係する「郡代屋敷跡」という場所を発見

馬喰横山は“チョイワル地名”だ

馬喰横山(ばくろよこやま)である。JR総武線にも馬喰町(ばくろちょう)という駅名があるから全国的にもそこそこ知名度のある駅ではないだろうか。

さて、この駅を知ってる人も知らない人も、一度声に出して“ばくろよこやま”と読んでいただきたい。そのあとは字面を眺めてみよう。どうだろう? なかなかに気になる駅名ではないだろうか。だって、馬を食うと書くのだ。しかも「食う」のではなく「喰う」わけだ。荒々しい雰囲気を感じるのは僕だけではないはずだ。

漢字が荒々しいのかとひらがなに変換しても、“ばくろ”では“暴露”という言葉を想起するし、まあ無理やり言いくるめてしまえば『チョイワル地名』とでも言うべきだろうか。そんなところが愛すべきモテ地名である。

これは知人が話していたのだが、「横」という字にもチョイワルを感じる、という。横のつく熟語は荒々しいものばかりだからだという。「横取り」、「横槍」、「横しま」…確かに。調べてみると「横」には縦横の意味のほかにも、不正を表す意味もあるらしい(参考サイト

しかし、僕のようなよそ者の人間がいくらああだこうだと言ったところで、地名には必ず由来があるのだ。当然馬喰横山にも駅の由来があるに違いない。今日は僕の勝手な妄想を辞める
ためにも、正式な馬喰横山の地名の由来を調べることにした。

 

ひとまず駅前を歩く

ともあれ、はじめて馬喰横山で降りた。せっかく降り立ったまだ降りたことのない駅だ。ひとまず駅をブラブラすることにした。初めて降りる駅って楽しいですよね。

馬喰横山は問屋街だった。都内でも最も問屋が集中するスポットのようで(僕は今回の取材まで知りませんでした。すみません。)近隣の日本橋馬喰町、日本橋横山町とも、さまざまなお店であふれている。中には業者専門のお店(一般客は入店できない)もあり、なかなかに興味深い。

 

史跡を発見。そこに地名を探る鍵が

そうこうしているうちに史跡を発見した。“郡代屋敷跡”と言って現在は交番の横の小さな緑地になっているが、その昔、この地には関東全域を支配する郡代(幕府直轄地の支配者)があり、税金の取立てや住民同士の訴訟なんかを管理していたという。簡単に言えば、関東全体を取り締まる県庁・都庁みたいなものがこの地にあったわけだ。

なぜこの地が関東全域を代表する土地にの選ばれたとかというと、時は戦国時代、徳川家康は関が原に出陣に必要な数百頭の馬を管理するため馬工郎(ばくろう)と呼ばれていた馬番を雇い、この地に住まわせたのだ。もともと日本橋に程近い場所にあるうえ、馬がたくさんおり交通の便が良かったため、周囲の農村から江戸に一時的にやってきた人々がこの地に集いたくさんの宿屋があったのだ。

時は流れ、交通の要所であることを理由に問屋街として発展したが、この地に最初に居ついた馬工郎(ばくろう)がなまって、馬喰町という町名になったらしい。

そんな馬喰町と、そして隣の横山町。これらの真ん中に地下鉄が通ったため、馬喰横山という地名が誕生したわけだ。なーんだ。そういうことだったのだ。チョイワルでも、荒々しくもなかった。長年つっかえていたものが取れた気分だ。


声に出して読みたい駅名「馬喰横山」の駅名の由来

  1. 日本橋馬喰町と、日本橋横山町の“馬喰”と“横山”の合成地名
  2. 馬喰町という町名は、江戸時代に馬を管理する「馬工郎」を由来にして名づけられた。

馬喰横山アウトテイクス

散歩に疲れ、おいしそうな蕎麦屋を見つけて入った。普通のざるそばを注文したら1,000円したけどすごく美味しかった。このあたりは住所で言えば日本橋。ふらりと入った店が美味しいのはやっぱり日本橋ならではかもしれない。


おいしかった蕎麦

よく見ないと分からないけど、たまに蕎麦の太さがまちまちな部分があった。これが手打ち蕎麦の証拠だろうか。

では、次はもうひとつの声に出して言いたい駅名、分倍河原(ぶばいがわら)に行きます。


 

 
Ad by DailyPortalZ
 

▲トップに戻る バックナンバーいちらんへ
個人情報保護ポリシー
©TOKYU MEDIA COMMUNICATIONS INC. All Rights Reserved.