自由を謳歌するピーちゃん
駆けつける(フリをする)と、すでにピーちゃんは伊藤家のご近所の庭先でのんきに自由を満喫していた。
あらアンタ!なにしにきたのヨ!
というような拍子抜けの顔。アウトドアでのピーちゃんは狂暴に見えないのが不思議だ。
「いっそこのままストレスのない世界へ羽ばたかせたらどう……?これがあるべき姿でありまして……」という私の動物愛護精神をムシして、伊藤さんはピーちゃんにそっと手をさしだした。
見事に指に乗ったピーちゃん。
「はあー?乗るか?フツー」
やはり、いつもの私への威嚇は虚勢であったか。本当はビビりなんだな……と思った矢先、バサバサッと大空にはばたき、ブチ当たるように2件先の小高い木の中に消えた。
あの、目に痛いキイロいボディも見えなくなってしまったのだ。 |