永田町。東京都千代田区の南端にある、日本の国政の中枢地区である。政府機関や官公庁があつまり、普段からものものしい警備体制下に置かれている。
「永田町の」といえば、後に続くのは「闇」だ。汚職、贈賄、癒着、談合。まさに国政の暗部がここに集約されているのでは…等と一般人は勘ぐってしまう。
そんな永田町の闇、その真偽をこの目で確かめたい。しっかり計って、どれだけ闇なのかを明らかにしたい。我々は照度計を手に、さっそく現地へと向かった・・・。
(text by ざんはわ)
科学をもって闇を斬る
闇へのアプローチは色々あるが、今回は数値化という画期的な方法に挑む。照度計だ。カメラ愛好家の方にはお馴染みだろうが、撮影の際に使用して現場の明るさを数値化して把握できる便利な計器だ。「闇」というなんだか判らないがおどろおどろしいものに、科学の力で対抗するのだ。
と、もっともらしいことを言ってみたが、永田町の闇?めんどくせーしこれでいいんじゃねえの?と軽い気持ちで採用しただけのことでもある。
いざ永田町へ
永田町駅2番出口を出て交差点を渡り、国会方面へと向かう。 今日はたまたま国会議事堂の一般参観が実施されていたようで、駅から国会議事堂へ続く道には一般客の姿も多く見受けられた。緑のジャンパーを着た案内スタッフの方々は、闇のことなど知らないのだろう、朗らかな笑顔で国会までの道を案内してくれた。一般の方々が闇に迫ろうとしているのだ、負けてはおれん。湧き上がる意気込みに、交差点を渡る足取りも自然と早足になる。
駅からすぐ
そして駅を出て30秒。いきなり職務質問を受ける。
一般の方が多いこんな日にスーツであること、そして撮影用の小道具で大荷物だったのが目についたようだ。トランシーバーの会話が加速していく。「ペンキでもぶちまけられたら困るから」と一般人には想像も及ばないようなリアルな説明を受けた。 今日はこんな大荷物だと先々で職務質問を受けるだろう、とアドバイスをいただき、一度駅に引き返して荷物を減らすことにした。
はじめての職務質問
駅から出た時点で、いやな予感はしていたんだ。こんな厳重な警備体制の中でウクレレやらホウキやら袋に小道具びっしり詰め込んで歩いてれば、職質されるにに決まってるじゃないか。だいたい大北のそれ、なんでウクレレなんだよ。永田町とも闇とも全然関係ないじゃないか。なんなんだよウクレレ。
正直なところ生まれて初めての職務質問で戸惑った。「それは…ほうきですか?これは楽器?何に使うんですか?」とかばんからはみ出たほうきを指差された。ほうき、ちりとり、ウクレレ、パンデイロ、アルトリコーダー2本、虫メガネ、折り紙などなど。全て良かれと思った演出の小道具で今までさんざんやってきたことだ。