スキャナは使い方によってはデジタルカメラなんじゃないか。撮影対象を二次元のデジタル画像で表現するという点において共通だからだ。しかし本当にそうなのか、試してみよう。
(安藤 昌教)
受光部はでかいほうがいい
デジタルカメラは簡単に言ってしまえば光を受ける受光素子が大きいほど画質が向上する。しかし大きければもちろん価格も上がる。先日ハッセルブラッドというカメラメーカーから大型の素子を搭載したデジタルカメラが発売されたが、450万円くらいしていた。ほとんどが受光素子の値段なんじゃないかと思う。
そんな高いカメラ(というか受光素子)はもちろん買えないわけだけれど、大きければいいという理屈からいくとスキャナがすごいぞ。見たまんま全面が受光部だからだ。サイズ的にはA4以上あるので価格が大きさに比例するのならば数千万円というところだろうか。そんな高性能デジタル機器を僕はなんと2万円くらいで買った。我ながらいい買い物をしたと思う。早速デジカメとして使ってみよう。
まずは実際にスキャナを使ってデジタル写真を撮影してみよう。対象物はこのフィルムだ。ちなみに左の写真は一般的なコンパクトデジカメで撮影した写真。なんというか普通の写りだ。これが超大型受光部を装備する僕の新しいデジカメ(スキャナのことだが)で撮影するとどんな画像が得られるのか。
はじめは対象物をガラス面に置いてスキャンしようとしたのだが、それだと単なるスキャナとしての使用だ。できるだけデジタルカメラと同じ条件で比較するため(気分的な問題だが)、対象物を上から撮影できるよう空き箱で支えをしてスキャナをひっくり返して設置した。
それでは撮影を開始したい。
接続されたパソコンのスキャンソフトを操作するとデジカメ本体が作動し始めた。ウィーン・・ジ、ジ・・。ゆっくりとだが確実に対象物を撮影しているのがわかる。そういう概念は当てはまらないのかもしれないが、一枚撮り切るまでの時間をシャッタースピードと考えると10秒くらいだろう。さすがは巨大受光部、クイックな用途には向かないところがまたスタジオ撮影っぽくて格好いい。
ばっちり使えるぞ
撮影された画像はとても鮮明だった。さすが超大型受光部を持つデジカメだ。撮影部が陰になってしまうので暗い画像にならないかと心配したが、スキャン部が強力に発光するので対象物が受光部から近ければ特に問題ない。
せっかくなのでこのカメラを使って一つの企画を撮影したい。