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はっけんの水曜日
 
手作りナンプラーはどうなった?

おそるおそる口を付けるIさん。

■最初の生け贄はIさん

Iさんは山歩きとかイベントとか、よく遊ぶ友達の一人だ。そんなIさんを罠に掛ける様にこんなもんを盛る自分って相当に酷いと思いながらも、どうしたって笑みがこぼれてしまう。

「なんで笑ってんの」

とIさんも怪しんでいた。マズイマズイ。先入観を与えてはいけない。スプーンに汁を盛り「どうぞ」と渡した。

Iさんはゆっくり口に運んで、汁を口に含んだ。


■もうすわげねぇ

Iさんは舐めた瞬間「マズっ!!なんだこれ!!」と叫んだ。ヤバイ、怒ってない?



Iさんはコーラで口をゆすいでいた。それでも「匂いが!!匂いが消えない!!」と困っていた。本当に申し訳ない。謝ったら許してくれた。そんな様子を見ていた黄色のシャツのKさん。どうですか?

 

■次の生け贄はKさん

Kさんはクライミングの友達。脱ぐと筋肉ムキムキで岩をガンガン登っていく。「最近クライミング行ってます?」と聞かれたので「あはは、全然行ってないっす。もう指もふにゃふにゃですわ」と答えた。


躊躇無く口に含んだ。流石クライマー。

Kさんにスプーンに注いだナンプラーを渡すと口に含んで難しい顔になった。心配になって「味わったら飲まずにこの皿に吐き出して下さい」と皿を渡した。

「いやー!!キツイっすねー!!!」

と青筋を浮き上がらせながら感想を言ってくれた。っていうか怒ってないですよね?大丈夫ですよね?変なものを舐めさせた恨みでビレイ中(命綱を持ってもらう事)に落とされたら死ぬので丁重に謝った。


Kさんの顔があんまり良かったので大きな写真にしていまいました。この顔が全てを物語ってると思う。

 

■あ、Hさんが来た

不味い不味い言い合っているとHさんもやってきた。Hさんもクライミング友達だ。よく一緒に飲んだりするのだが、この人はしょっちゅう記憶を無くしてしまう。 ではどうぞ。ぐいっといっちゃって下さい。



Hさんは口に含んだ後、静かにプルプル震えていた。リアルなリアクションだ。IさんとKさんのリアクションが動のリアクションなら、Hさんは静のリアクション。生っぽい。

「んー!んー!!」

と呻いていたが僕らは大笑いをしていた。知るものが初心者を笑う。経験の上下関係って楽しい。

 

■Sさんはどうだろう

そして最後にSさん。Hさんの友達で初対面だけどお願いしたら味見しても良いというので舐めてもらった。



「うおぉぉぉ!!!まじー!!!なんだこらー!!」

という叫びが代々木公園に響き渡った。やべぇ、怒ってる?怒ってる?と思って慌ててお茶を渡して、「これでうがいして下さい!!ごめんなさいごめんなさい」と謝った。今日は謝ってばかりだが、100%自業自得で因果応報。


Sさんのリアクションも凄くいい。となりで五平餅を美味そうに食べるKさんの余裕の顔もいい。この日のベストショット。

 

■最後は自分で責任を取るよ

人にばっかり味見させ続けるというのもアレだ。あんまりにも酷い。ということで、まだまだ沢山残っている小瓶のナンプラーを一気に飲んでみようと思った。



本当に申し訳ない。これは飲めなかった。どうしても脳が食べ物だと認識してくれなくて、飲み下せない。喉と食道と胃が全力で

「やめてー!!飲まないでー!!」

と拒否反応を示した。本能の指令には逆らえず、よだれとこぼれた自作ナンプラーと涙と鼻水で、それはそれはすごいドロドロ地獄になってしまった。

むせた瞬間鼻に自作ナンプラーがまわってしまい、呼吸の度に全力で異臭がした。匂いの元が、鼻の中。もうどうしようもなく半泣きで鼻をかんだ。

撮影のあとも友達とタイフェスを楽しんでいたのだが、時折友達が鼻をつまみ「くさい。ナンプラーくさい」と、僕を見ながら言うのでありました。

■素人が作るもんじゃないな

1年がかりで仕込んだナンプラーは大失敗だった。まだ家の冷蔵庫に1.5リットル残っているが、目下どうしようか悩みの種になっている。

えぐみと苦味が強かったのは恐らく内臓をあまりに多く使いすぎたせいだろう。本物のナンプラーはアジの内臓オンリーではなく、カタクチイワシ丸ごとを使う。原料がまったく違うのだ。

そもそもは東京農大の小泉教授が『鮭のアラから魚醤を作っている』という話を聞いて作ってみようと思った。しかし、考えるに鮭のアラは鮭の身も含まれているだろうし、第一、小泉教授は発酵のプロであり専門家なのだ。僕みたいな素人が真似をして簡単にできるわけがない。

発酵の道は一日にしてならず。難しい。

難しいけど、面白い。これからもなにか発酵で面白そうなものがあったら記事にしてみたいと思います。キビヤックを食べてみろ?うーん、無理です。


 
 
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