デイリーポータルZロゴ
このサイトについて


ひらめきの月曜日
 
「大人のミスタードーナツ」ことアンドナンド潜入&食べ比べ

ウワサのアンドナンド(andonand)。ロゴが六本木ヒルズっぽい。


「アンドナンド」ってお店を知ってますか? 

アンドナンドは知らなくてもミスタードナーツを知らない人は居ないだろう。ミスドが新しくオシャレなドーナツ屋を作ろう、ということで誕生したのが「アンドナンド」なのだ。コンセプトは『大人のミスド』。どう?興味深くないですか?

僕は青春時代、コーヒーおかわり自由であることをいいことに何度も何度もミスドに行き、周囲の迷惑も考えず長居して友達とはしゃいでいた。ファミレスに行くお金がなかった時代の話である。そしていつか、どこからかあまりミスドに長居しなくなってしまった。そんなミスド遍歴をたどったのは僕だけじゃないと思う。

今日はそんなお世話になったミスドの未来を占うためにも「アンドナンド」に行くことにした。ついでに従来のミスドのドーナツと食べ比べ。

アンドナンドの記事は東京一週間とかにも載っているだろうけ
ど、書き手の思い入れと情報を同時に伝えるのはデイリーポー
タルZ(かブログ)だけ!

(text by 梅田カズヒコ



ドーナツとぼく

ところで僕は今年のはじめにクリスピー・クリーム・ドーナツに取材に行った。この翌週にはドーナツ大戦争勃発として、2007年はドーナツの年になるのでは? なんて大風呂敷を広げたりしたが、ミスドもこうやって新展開を始めていると思うと、まんざら言いすぎでもないのかもしれない。そしてまた取材と称してドーナツが食べられる。うれしいな、むふふ、とほくそ笑みながら、ゴールデンウィークで人があふれる渋谷へ。お店はこんな感じでした。


これがミスドっすか!? 所ジョージはどこに? タカアンドトシはどこに?

ずいぶんとあかぬけた外観。これがミスドだと思うと21世紀だということを痛感せずには居られない。まさかミスドがこんなにあかぬけることになるとは。ロッテリアがロッテリアプラスになったときも多少驚いたが、この変貌はそれ以上だ。俄然盛り上がる僕。さっそく中へ入ってみよう。


客席の雰囲気。(一般のお客さんが写っているためわざと画質を落としています)
この日は雨が降ったおかげかあまり行列はできてなかった。

これはもはやカフェだ

店内はゴールデンウィーク中ということもあってたくさんのお客さんでにぎわっていた。しかし、クリスピー・クリーム・ドーナツのオープン時と比べると少し落ち着いているようだ。

お客さんはたくさん入ってはいるが、落ち着いているので『大人のミスド』というコンセプトを崩さずうまくスタートを切っているようだった。

ちなみにアンドナンド(andonand)の名前にはdona(=ラテン語でドーナツ)、and、nand(=何度でも)足を運びたくなるお店という意味が込められているそうです。なんだか呪文みたいな名前だなーと思っていたが、これで腑に落ちました、納得。

クリスピー〜と比較すると非常に落ち着いていて、内装はクリスピー〜がアメリカのキャンパスライフがイメージだとしたら、アンドナンドはミッドセンチュリーの室内といった雰囲気。ミスドの遺伝子を受け継ぐだけあってどこか日本的な雰囲気を感じれるのも好感が持てる。それにしてもあのミスドがこんなおしゃれな内装をほどこすなんて、なんだか少し時代の流れを感じずにはいられないのは僕だけだろうか。

 

さっそく買ってみることに!

アンドナンドはベーカリー方式(気にいったドーナツを自分でトレイに乗せてレジに向かう)を採用している。ミスドってドーナツの種類が多いので何を食べようか迷うのだが、後ろに行列ができているとちょっと気を使うので、このセルフ方式はなかなか良いですよ。

友達なんかと来て、あれにしよう、いややっぱり私はこれを、なんて悩むのもアンドナンドの楽しみ方のひとつかもしれませんね。 

従来のミスドと同じくベーカリースタイル。
スタバと同じようにコーヒー用に牛乳、コーヒーミルク、低脂肪乳とさまざまな味付けが選べるようになっている。

コーヒーはおかわり自由ではございません



コーヒーはアイス・ホットとレギュラーサイズで300円。朝だけしか飲めないコーヒーもある。そのほかソイラテ、キャラメルラテなんかもあり、スタバイズムをここでも感じた。デートの休憩で来ても大丈夫そうだ。(しかも、デートで使うようなカフェよりは安上がりなので渋谷でデートする予定のある人は覚えておくといいことあるかも)残念なのはコーヒーがおかわり自由ではないこと。

 

いよいよドーナツを実食


ドーナツを買うともれなく紙袋に入れてもらえます。手が汚れない!

ドーナツは大きく分けて『クラシックドーナツ』(各180円・上写真左)と『プレミアムドーナツ』(各250円・上写真右)の2種類。クラシックが「母が作ってくれたような家庭の味」、プレミアムはアンドナンドの顔とも言える高級ドーナツ。

ざっくり言ってしまえばプレミアムはドーナッツプラントのようなわりと贅沢な素材を使ったドーナツで、クラシックはミスドのオールドファッションのような、やや固めの食感。ゴージャス感を取るか、手軽な味わいを選ぶかで選ぶ商品が変わってきそう。ただ、おなかに余裕がある場合は両方食べ比べてほしい。中のパン?の具合がぜんぜんちがうから。

飲茶は置いてないけど、サンドイッチやパイなんかは置いてありますので、甘いものが苦手な人も大丈夫ですよ。 


甘いものが苦手な人や、おなかが空いた人用にサンドウィッチもあります。

やはりメインのドーナツを食べ比べてもらいたいが、僕としてすごくおすすめだったのがスティックと呼ばれる棒状のドーナツ。特に抹茶味のスティックが最高に美味かったです。この味は今までのミスドにはなかったわ。


スティック、うまい。

 

アンドナンドのクラシックドーナツのシナモン(写真左)と、ミスタードーナツのシナモン。同じシナモン味だが…

同じ名前のドーナツにもこんなに差が。

さて、そんなアンドナンドのドーナツをテイクアウトで持っ帰って、従来のミスドのドーナツの似たメニューを食べ比べてみることにした。

まず、写真左がアンドナンドのシナモン、写真右がミスタードーナツのシナモン。並べてみると明らかに雰囲気が違う。

食べ比べてみて分かった。アンドナンド、やっぱりおいしい。ミスドもおいしいけど、それはお菓子としてのおいしさ。アンドナンドの味付けはお菓子の味付けの域を超えている。

ありきたりだが、シナモンがちゃんとシナモンの味をしているのがアンドナンド。値段も大きく違うので味に差が出るのはしかたないが、従来のミスドのドーナツがなんだか肩身が狭そうだった。

 

アンドナンドのプレミアムドーナツのリッチチョコレート(写真左)と、ミスタードーナツのリッチドーナツ。リッチつながりな2つであるが……

アンドナンドのプレミアムドーナツV.S.ミスドのリッチドーナツ

続いて、クラシックドーナツよりさらに豪華なプレミアムドーナツと、従来のミスドの中では高級にあたるリッチドーナツを食べ比べてみた。これまた味がはっきり違った。

食感がふわっとしているのは両方に言えることなのだが、アンドナンドドーナツのほうは、さらにもましてふわっと感が高い。

それから、ドーナツの中に隠れているチョコソースの味や、コーティングされているナッツの味なんかが混ざり合っていて複雑な味がする。細部まで細かく計算されていて、スキがない。

やはり味付けと言うことではアンドナンドが勝っていると思われるが、そもそもドーナツにそこまでさまざまなことを求めるか、と問われればミスドのドーナツで十分のような気もした。

アンドナンドのドーナツは中が空洞になっている箇所があって、ソースが入っている。ここがおいしい。
アンドナンドのテイクアウト用の紙袋、ちょっとおしゃれ。

アンドナンド渋谷公園通りショップ

渋谷区宇田川町2-1
03-5428-5050
営業8:00〜23:00

都会に行ってきれいになったクラスメイトに再会した気分

喫茶店とカフェというものを比べたときに、ざっくりいうとカフェとは喫茶店をあかぬけさせて、コンビニエンス(入店しやすい)にしたもの、という見解でよいだろう。もうひとつ言えば喫茶店のマスターは話しかけてきそうな雰囲気があるが。カフェはそうではない。

コンビニエンスで、マスターが話しかけてこない喫茶店という意味ではミスタードーナツも当てはまる。つまり、ミスドはカフェブームとやらが日本にやってくる20年も前に、カフェが果たすべき役割を果たしていたことになる。そう考えるとミスドは偉大だ。そんなミスドであっても時代の流れには逆らえず、カフェ化がはじまったわけだが、アンドナンドはそのあかぬけ具合が素晴らしいといえば素晴らしいのだが、真面目さがとりえだったはずのクラスメイトが都会で洗練されてプレイボーイになってしまった、というような一抹の寂しさがある。

時代に合わせて華麗に変貌をするミスド(アンドナンド)が心強いと思う反面、あのころの純朴さをいつまでも忘れてほしくない、と余計なことを思ったりもした。ほんと、余計なことだな。


 
 
関連記事
おいしい工場直売所めぐり
そうだ、チャイでも飲みに行こう。
せんべいあんこサンドに触発されて

 

 
Ad by DailyPortalZ
 

▲トップに戻る バックナンバーいちらんへ
個人情報保護ポリシー
© DailyPortalZ Inc. All Rights Reserved.