新宿から30分（特急利用）で崖

住宅地の隅を流れる川の壁面がいい崖だった。高さ6mぐらい。地層が見える。近くに京王線が通っているのでここが電車から見えたところだろう。新宿から電車で30分とは思えない景色だ。京王相模原線に乗るすべての人が気になっている（いま決め付けました）崖がここにある。

崖の向かいは住宅地である。近所の人は窓を開けると電車と地層が見えるのだ。両方の輪に入っている人にとっては最高の立地ではないだろうか。

屋久島だと思いこめ

カメラのフレームに崖だけを入れてみるとここが屋久島だと言われてももわからない。行ったことがないからこそ言える軽はずみな発言である。

工藤さん大北さんも地層を目の前にしてすっかり元気になっている。地層セラピー。

「いやあ、怒られたことなんて忘れちゃいますね」

と工藤さんが言っていたのが逆に気にしているのかも…と思ってたいへん申し訳ない気持ちになった。崖の前で。

すべてが崖にちなんで見える

崖の対岸には川面に降りられる階段があった。崖の記念撮影スポットかもしれない。と思って降りてみたがそれほどの景色でもなかった。残念ながら違うようだ。

しかし雨のなか川べりにたたずむ男ふたりは味わい深かった。「ふぞろいの林檎たち」で言えば第2シリーズだ。

ふぞろいスポット（もう名付けた）の脇には川遊びの注意喚起の看板があった。一見すると普通の看板だが、子どもの視線の先は崖だ。暗に「崖に夢中になると溺れるぜ」と言っているように思えた。