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ロマンの木曜日
 
 絶対に盗まれない自転車を作る

大月〜甲府、よさこいのおばさま達

10時12分、大月発の中央線に乗った。甲府までの所要時間は約50分。車内はかなりの混雑であったが、早めに並んでいたので座る事が出来た。僕たちの席の周りには、元気のいいおばさまグループがいて、ワーワー言っていた。


あら、桜きれいじゃない

「この区間はトンネルが多いので、寝ても大丈夫ですよ」

と日詰さんに言われたが、おばさま達のパワーに圧倒されて眠るどころではない。車窓から桜が見えるとワーワー言って、トンネルに入るとブーブー言っている。


きれいな桜

眠いけど寝れない。貴重な睡眠時間を奪われたまま、電車は甲府駅に到着した。




甲府発の身延線で2時間半


身延線甲府駅

甲府駅で身延線に乗り換える。身延線は甲府駅と富士駅を結ぶ地方交通線で、路線距離は88.4km、全39駅だ。途中の西富士宮で一旦下車し、富士宮焼きそばを食べる予定をしていた。西富士宮までは約2時間半、乗りつぶしの旅はここから本格化していくのだ。


身延線には車内販売がないので注意が必要だ

次の身延線が入ってくるまで、甲府駅のホームでぼんやりと待つ。待ち時間は約30分。空気は少し冷たいが、日差しが強くポカポカしている。

「春霞で富士山が見えづらいかもしれませんね」

日詰さんが空を見上げて心配している。確かに少し霞んでいるようだった。冬の澄んだ空気だと富士山もクッキリ見えるのだろうが、真冬に吹きっさらしのホームで30分はきつい。

電車を待つ間、身延線の富士山スポットについて日詰さんが説明してくれた。主なスポットは2カ所あって、最初は南甲府駅を過ぎた辺りから富士山を南東に見る事が出来る。その後、沼久保駅周辺で、今度は北東に富士山が見える。

「沼久保辺りは有名な撮影スポットですよ。電車越しの富士山が奇麗なんです」

と日詰さん。どうやら、沼久保辺りで最初の盛り上がりがやって来そうである。



身延線がやって来た

身延線、最初の富士山スポットなのに




身延線発車

11時30分発、身延線富士行きに乗った。身延線も中央線と同じように混んでいた。座りきれず立っている乗客もいるが、僕たちはちゃんと座れた。乗りつぶしにおいて席の確保は重要なのだ。


早めのお昼を食べるおじさん

4人掛けのボックスシートだったので、僕たちの他に1人知らないおじさんが座った。おいしそうにお弁当を食べている。

中央線の中で日詰さんが言っていたように、身延線は駅と駅の間が短い。なので、最初の富士山スポット、4駅目の南甲府はすぐにやって来た。
ここから南東の位置に富士山が見える、はずだったのだが……。


曇天の富士山

いつの間にか曇天になっていたのだ。
富士山に雲がかかって頂上が見えない。

富士山を鉄道で一周する乗りつぶしの旅に暗雲が立ちこめてきた。
比喩でなく。





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