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ちしきの金曜日
 
名古屋(駅)のきしめん屋を完全制覇


名古屋の食文化は独特だ。
名古屋発祥の食べ物を総称して、「名古屋めし」なんて言葉が使われるくらい独特だ。
その一つでもある台湾ラーメンなんて、台湾という名前がついているのに、台湾からの伝来のものではないのだから、どれだけ独創的なんだと思ってしまう。
きしめんなんていうのもあって、うどんを平べったくしたような食べ物なのだが、名古屋意外ではあまり見かけないし、うどんで良いじゃんとか思ってしまう。
でもせっかくだ、名古屋に来たついでだ、きしめんを食べてみよう。
それも名古屋随一のきしめん屋密集地帯で、食いまくってみよう。

(text by 上杉 天馬



というわけで名古屋駅へ

食いまくってみよう、ということで名古屋駅に着きました。
ここから電車なりバスなりに乗って、きしめん屋密集地帯に行くのかと思ったら、どうやら違うようです、我ながら。
名古屋駅構内がきしめん屋の密集地帯らしいのです。
これは移動が楽です。

昨年公開の映画、「UDON」にちなんで、今回の題名を「KISHIMEN」にでもしようかな、でもそこまで無理する必要ないな、第一その映画見てないし…、とか考えながら駅構内を歩いていると、最初のきしめん屋が。


コンコースのほぼ中央に店を構える「驛釜きしめん」
一番シンプルなかけきしめん

実は、きしめんを食べるのはこれが始めて。
前述では、うどんを平べったくしたような食べ物とか、うどんでいいじゃんとか、をこれ以上ないくらいにきしめんのアイデンティティを無視したことを書いていたのだが、実際食べてみるとうどんとは別物ですね、、、当たり前か。
麺が平べったいせいか、コシというモノがあまりない。
つゆは関東風よりも濃くはなく、関西風ほど薄くはなく、それでいてかつおの風味がよく効いている。
全体的にあっさりという味わいか、これはこれで美味しいと思いました。

 

名古屋駅のプラットホームへ

名古屋駅構内にはきしめん屋が立並んでいるとのことだったのですが、前述の驛釜きしめんしかありません。
駅構内にある観光案内所に尋ねてみると、駅のホーム内に沢山あるそう。


驛(駅)麺通りだけど、この中にはきしめんはナシ
きしめん屋を求めて駅ホーム内へ

駅ホーム内になるのか…、多少の不安は隠せません。
駅構内ということで言えば、確かにホームも構内っちゃ構内なのだが…
なんというか、きしめん限定美食巡りっぽくしようと思ったのだが、そうはならないような気がする。

新幹線のホームに
立ち食いきしめん屋が(やっぱり立ち食いか…)
かけきしめん340円也
名古屋駅は、17・16番線と15・14番線が新幹線のホームとなっている、まずはそちらへ。
駅ホーム内ということで、やっぱり立ち食い店だった。
味としては、可もなく、それでいて不可もないといった味だろうか、駅のホーム内でこれが手軽に食べられるのであれば嬉しいと思う。
それにしても、驚きなのは、新幹線の2つのホーム、どちらにも2つのきしめん屋があるということだ。
名古屋のきしめんにかけるこだわりだろうか。
ホームの両端、大阪側には「きしめんA」、東京側には「きしめんB」がそれぞれある。
看板だけを見ると、両方とも「きしめん」という店名っぽいのだが、デザインが違うので、AとBに分けてみた。
分けてみたのはいいが、根本的なところで、本当に「きしめん」という店名なのだろうか、あまりにもシンプルすぎるが。
新幹線ホーム東京側に立つお店
やっぱりかけきしめん340円

 

在来線のホームにもそれぞれニ店舗

在来線のホームにもそれぞれ、ほとんどもれなくきしめん屋がある。(13・12番線以外)
どこに行くにしても、どっから帰ってくるにしても、名古屋駅を利用している以上は、きしめんには困らないというわけだ。


名古屋駅ホーム内におけるきしめん屋の分布図(14〜17番線は新幹線のホーム)

名古屋駅構内だけで言えば、圧倒的なシェアを誇るのが「名代きしめん」。
ランチェスター戦略で言うところの、局地集中戦略というところだろうか、多分違うと思うが。
そしてなぜ12・13番線にはお店がないのだろうか?
不自然じゃないか…、とかその時は思ったが、東京に帰ってきてよくよく考えると、全ホームにきしめん屋がある方がおかしい。

名古屋駅構内にあるきしめん屋コンプリートを目指すということで、全種類のお店を回って、かけきしめんを食べました。(2店舗展以上開しているお店はその内の一つだけですが…)


7・8番線、1・2番線の大阪側にある、「麺亭かきつばた」
今まで食べたきしめんに比べると、麺のコシが弱く、それでいてつゆもあっさりとより関西風だった、340円
3・4番線の大阪側にあるのが、「どえりゃあ亭」
「どえりゃあ亭」のかけきしめんは200円、リーズナブルで、それでいてしっかりとした味
5・6番線の大阪側には、「麺亭いこい」
「いこい」のかけきしめんも340円、安心できる味だ
在来線の12・13番線以外の全てのホームにある、「名代きしめん」。その中でも一番美味しいという噂の5・6番線ホームの名代きしめん
(名古屋駅構内の)きしめん界のガリバー、「名代きしめん」のかけきしめん(340円)、納得の味だ

名古屋駅構内にあるきしめんコンプリートです。
1日に7回もきしめんを食したのが、味に関するコメントが適当になっている原因の一端であることは否めません。
写真にあまり変化がないのは、全店で一番シンプルなかけきしめんを頼んだからかもしれないし、他の原因があるのかもしれません。

 

名古屋駅構内におけるきしめん屋の勢力図

各店で出されたきしめんの写真を見ていると気づくのですが、器と盛り付け方が一緒なのが多いのです。



上記の4店舗で出されたきしめんはどれも、かつおぶしと油揚げとネギが乗り、白い器の両端に黒い模様があるところまで一緒。
盛り付けに関してはこれがスタンダードなのかもしれないが、器に関してはどうなんだ、偶然の一致か?

更に、今度はお店のロゴに注目してみると…


新幹線ホームにある、きしめんA店にも
在来線ホームにある、名代きしめんにも…
「きしめん住よし」と入った同じロゴが
麺亭いこいにも、ほぼ同じ風味のロゴが

「きしめんA」も「名代きしめん」も同じ系列のお店だということか。
「麺亭いこい」も同じ系列のお店なのか。
でも、だとしたら、


「麺亭いこい」と「麺亭かきつばた」の、看板のデザインの一致具合はなんなんだろう。
ついでに言えば、「Kiosk」のマークが入っているのは、「名代きしめん」と「麺亭いこい」のみだ。
駅構内のことだけなのに、なんだか複雑なことになっているが、それもこれもきしめんへのこだわりなのか。
いやあまりこだわっていないからこうなっているのか?

■結局名前が判らずじまいだったけど

とにかく、(名古屋駅構内の)きしめん屋は完全コンプリート、食べ尽くしたといっていってもいいだろう。
食のレポートのHPって人気だし、その中でもある特定のジャンルを極めつづけていくというスタイルには尊敬の念を抱く。
そんな今日この頃だったので、きしめんというあまり全国に広く分布はしていない食べ物だが、(更に言えば、その中でも名古屋駅構内というちっぽけな枠内だが、)全てのお店の味を食せたことには大満足だ。

和麺においては、きしめんが絶対的勢力を誇る名古屋駅構内に唯一あるそば屋さん

 
 
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