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ロマンの木曜日
 
 絶対に盗まれない自転車を作る
カスタマイズ中
自転車を盗まれてしまった。停めてはいけない場所に放置しておいた訳ではない。カギだってちゃんと締めていた。それでも自転車を盗まれてしまった。頭に来たので、絶対に盗まれない自転車を作る事にした。警察官が乗っている自転車、アレを模した自転車を作るのだ。警官の自転車だったら絶対に盗まれない。はずである。

 


(text by 住 正徳



被害の実態を検証する

まずは自転車泥棒の実態を探るため、警視庁のホームページ内にある「犯罪情報マップ」を見た。

「犯罪情報マップ」
https://www.keishicho.metro.tokyo.jp/toukei/johomap/johomap.htm

ここに、今年の1月末までに東京都内で起きた刑法犯認知件数の一覧がある。「ひったくり」「侵入窃盗」「車上ねらい」、とあらゆる窃盗の認知件数の数字が並ぶ中、「自転車盗」の数は4396件と一番高い。たった1ヶ月の間に、都内で4000台以上の自転車が盗まれているのだ。昨年同期と比べてみても382件も増加している。一体どういう事なのか。


駐輪場

更に、僕の自転車が盗まれた品川区での統計を見てみると、今年の1月期で112件(前年同期比+25件)発生しており、都内53区市町村の中で11位であった。僕が盗まれたのは3月なのでこの112件の中に入ってない。本当にどういう事なのか。

「犯罪情報マップ」から「オートバイ盗、自転車盗の被害にあわないために」というページにリンクが貼ってあり、そこに自転車盗防犯対策があった。自転車を盗まれないためのポイントとして、

 ・駐車時は、複数のカギをかける
 ・路上駐車しない
 ・防犯登録をする

とある。
「平成18年中の都内における自転車盗のうち、49.1%が施錠をしない状態で被害にあっています。」という事らしい。確かに、複数のカギをかける事は有効なように思える。でも、実際はそんなの面倒くさいだろう。カギをなくしてオロオロするに違いない。

路上駐車しない、防犯登録をするというのは当たり前として、もっと有効な手段はないものだろうか?

 

盗まれないために

そうだ! 警察官が警ら中に乗る自転車、あれを模したらどうだろうか。警察官の自転車を盗むような大胆な人はそうはいないだろう。カギをかけなくても大丈夫かもしれない。


警察官の自転車

さすがにこれと全く同じ自転車は市販されていないので、近い型の自転車を警察官の自転車ライクにカスタマイズする事にして、近所の自転車屋さんに向かった。

いずれにしても新しい自転車は必要なのだ。
盗まれちゃったから。

 

新しい自転車を買う


でもオレンジしかない

近所の自転車屋さんに警察官の自転車の写真を見せて、それに近い型の自転車を選んでいただいた。同じような型だとフレーム色がオレンジのものしかなく、購入後に色を塗り直す事にした。


グリップを取り替える店主

ペダルとグリップ部分がデフォルトではグレーだったので、それは黒いものに変えてもらった。僕が用意した資料写真ではそうなっていたのだ。

「1週間に1回くらい、警察官の人が自転車を直しに来るよ」

グリップを取り替えながら店主が言っていた。
そうか、警察官の自転車も壊れるのだ。当たり前だけど。


防犯登録済み

もちろん防犯登録も済ませ、代金の1万2千円を支払い、購入した自転車に乗って事務所に帰った。帰ったらすぐにカスタマイズ作業に入る。明日でいいや、なんて気持ちで一晩外に放置でもしたら、また盗まれてしまう。




 

 
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