階段に続く階段
いや、もう、どうかと思うほどにざっくばらんなのだ。
公共交通機関というと、どうしても案内がしつこくなりがちだ。電車の駅なんかそうだが、建造時にとりつけられた案内板の他に後付でごちゃごちゃ付け足されてゆく張り紙のなんと多いことか(その辺の後付のすごさはこちらが詳しい)。
それに比べるとどうだろう。「一般道への出口はこちら」という案内は一度も出てこず、そうして、恐ろしげな地下へもぐる階段が2連発するのである。
怖いんだ、これが。昼間でも怖い。歩くと足音がこだまし、打ちっぱなしのコンクリートにはひたひた水がしたたっている。前後に人はおらず、左にはスピードをあげて車がゆくばかり。
本当にこの道で一般道に出られるのか。それ以前に、この道はちゃんと使われている道なのか。
下り線の中央道野田尻バス停はだいたい日中は45分に1回はバスが停車する。45分に1回だぞ、うちの実家の方を走る私鉄よりも高い頻度だ。普段使いつけている方々は慣れた足取りで普通にこの道を行くんだろう。人の日常は様々だ。
及び腰ここにきわまれりという状態で脇に汗をかきながら階段を下りた(冗談じゃなく本当にごれぐらいびびっていた)。向かう先はトンネルのようになっており、道の先から光がピカーッと差し込んでいた。
シャバだ! |