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ロマンの木曜日
 
あっちの草原から500頭の馬がやってきたドドドドド

ぼくです。犬です。

「犬がさ、異常にひとなつっこいんだよ」

野犬はもちろん家畜の番犬でさえも、ツアー客が触れることは禁止されていた(ツアー規約)。だがあまりの人なつっこさにコーフンしたオンは、触りまくり遊びまくってしまったようだ。
草原を散歩中、いろんな野犬がどこからともなくあらわれて、かわるがわるずーっとあとをついて歩く。しばらくするとまたどこかに消えてしまう。

画像では伝わらないが、カラダも大きいらしい。モンゴルは人も犬も大きいのだ。

「オレが止まると犬も止まって、走ると走るんだよ。スピード合わせてくるんだよ。で、見ると目をそらすの」

こんな感じ?(なんとなくヒマつぶしのようにも見えるな)

 

大草原、大地、モンゴルの風と青い空、遊牧民族の生活、それをまるまる体験してもらおうと、大金はたいて、お盆休みぜっんぶ潰して、親の私がいっちばん行きたかったのに、親離れ子離れのつもりでひとり飛ばせたモンゴル国の総括感想が「犬」。

一番長かった話題が犬。
うちにもいるよ、犬。

ガックリきた。
20数万返せと思った。



さあ、早くどっか行こうぜ

 

中2だからこそのモンゴル

でもちょっと待てよ。これは、中2という中途半端な年代のなせる技かもしれない。

大人の私なら草原の雄大さに、野グソに、人に家畜にたかる虫に、星空に風に人に、いちいちおおげさに驚き、もっとオーバーに感動し、日本とのギャップを見つけてはワーワー騒いだろう。自分の生活を中心に考えているからだ。

でも中2はちがった。

息子が個人的に、低レベルの類いだからということもあるかもしれないが、初めて見るものにたいした感動はしないかわりに、あせりもおどろきも動揺もしないのだ。(犬以外)


この世の楽園のようだ

春に書いた記事で、祖父の遺言らしきものを紹介したことがある。
「世界は広い。自分の見たものだけを基準に考えてはいけん」
「何ごとにも動じてはいけない。動揺したら負けだ」

じいちゃん、アナタの曾孫はもしかしてもしかすると、今のところ、アナタの思いどおりに育っているのかもしれません。

モンゴル、どうもありがとう。
期末試験の結果などホント、クソみたいに思えてきました。

本当に楽しかったのかどうなのか、真意を聞きだすことはできなかったけれども

「来年はどこに行きたい?どこがいい?」
と聞くと
「モンゴル」

即答した息子のことばを聞いて、私の20数万はムダではなかったああムダではなかった、そう胸をなで下ろしました。

同時に、こみ上げてくるキョーレツな御礼テレパシーを本気でモンゴルの大地に送った次第です。


 

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