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キワ・ヒルスタ! |
「キワイダ、キワイダ、キワイダ……」
甲州街道を呪文のようにつぶやきながら帰路につきました。
イースター島近くの深海で発見された未知の甲殻類、「Yeti Crab(雪男ガニ)」のことが頭から離れなかったのです。
エビともカニともつかないビジュアル。
クリームがかったボディーカラー。
目は退化し、その痕跡だけがみられるといいます。
そしてなによりも、ハサミについたおびただしい毛を目の当たりにするとホレ、研究者らも「まるで毛皮を着たロブスターの様だ」と、文学的に……。
私もキューティクルーミーな毛に一発でヤられてしまいました。
どの科目にも属さないことから、新設された科名が、キワイダ。
怪獣的ネーミングにもイースター島ならではのロマンを感じました。
そういえばこの島にはモアイ像があります。イミはとくにありません。
学名「キワ・ヒルスタ(Kiwa Hirsuta)」
Kiwa キワ----甲殻類の女神(ポリネシアの神話より)
Hirsutaヒルスタ----荒い毛の生えた、毛むくじゃら(ラテン語から)
(text by 土屋 遊) |