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ロマンの木曜日
 
あっちの草原から500頭の馬がやってきたドドドドド

私の目をとめた、とめまくったもの、それは、この笛吹き少年。
ヒュルリーヒュルヒュルリー(妄想音楽)


余興のひとつらしい。リンベというモンゴルの笛を吹く少年(例によりネットで調べてみました)


息子よ、見習うがいい。

かつてこれほどまでにズドンと響くお辞儀スタイルを見たことはない。清く正しくまっすぐなごあいさつ、きっとこれからもないだろう。理由はわからない。たぶんモンゴルだから。


モンゴルの人々と動物たちと

「寝て起きて食べてさんぽする」

そんな遊牧民ゲストライフをたのしんできた息子。(前回記事参照)

なんの気負いもなく生活に溶け込んでいけたのは、住居のゲルでお世話になったおばあさんと、息子(or 孫?)のニャムカ、彼らのおかげにほかならない。

おばあさんと。朝食風景ゲル内

乳搾りはモンゴル女性の仕事
ゲルの引越しを手伝いにきた親戚

遊牧生活ということは"住所がない"ということだ。
もしもまたモンゴルに行くことがあっても、彼らに会えるとはかぎらない。

息子を通じ、聞きたいことはたくさんあった。

人が死んだら、火葬にするのか。お墓はあるのか。
家畜に襲われることはあるのか。犯罪はあるのか。
モンゴルの言い伝えも聞きたいし、ホーミーも教えてもらいたい。歌のひとつも覚えてほしい。オンのプロレス技がどこまで通用するのか、モンゴル相撲もやらせてみたい。と思ったのに。

息子はなにも聞かなかったしなにも頼まなかった。
中年の母が欲張るほどの、好奇心も探究心もなかったのだろう。最終日だけ日本人ツアー女性の2人といっしょになったが、それ以前はほぼ軽いジェスチャーのみでコミュニケーションをとっていたという。

「せっかく"モンゴル語教本"持たせたのにー」

でも写真を見たらそんなことどうでもよくなった。

話さなければなにも伝わらないと言う人がいる。そりゃそうだろう。でも本当になにもなにひとつ伝わらないのだろうか。
おだやかな人や動物の表情で、なんにもか。これでもか。これでもなんにも伝わらないか。

 

かゆいところをこすりあってるらしい
水たまりに興奮の馬たち
ただの粗大ゴミに群がる羊。好奇心旺盛なんだそうだ
ん?なに?好奇心旺盛なんだそうだ

 

淡々とすすむモンゴルインタビュー

「そんなことあたりまえだろう」とでも言いたげに、モンゴルでの生活を、聞けばふつうに答えていたオン。

  • 風呂もトイレもないこと
  • 食べ物に虫が入っていること
  • 2万頭の馬のこと
  • 天の川の星空
  • 荒々しい車の運転
  • 内蔵の飛び出しそうな騎乗
  • 気がつくと数十匹の虫に集られること

なんだかもう自分がずっとそうやって育ってきたかのように淡々としていた。

だが唯一、彼にもコーフンした出来事があったのだ。


 

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