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1月のテーマ:汁


はっけんの水曜日
1月の海でビール鍋





「最近、近所のショッピングモールに、焼きイモ屋が出来たんですよ」
「へえ。焼きイモ流行ってるし、いいですね……」
「でもね、そこ、客が全然いないんですよ」
「なんで?」
「あのう、そこの商店街、地下にあってですね、すごく暖かいんですよ」
「うん……」
「なので、隣のソフトクリーム屋は繁盛してるのに、焼きイモはさっぱり売れないんです」
「へえ……」
「すっげえ寒いところに店を出したら焼きイモ売れたのに………」
「そうね……」
「で、時々思うんですけど、寒い場所での焼きイモとか、海水浴のときに食べるラーメンとか、食事ってシチュエーションに、もんのすごい左右されますよね」
「そうねえ……」
「こう、寒い屋外で、なにか焼いて食べるのって、すごく楽しいですね」
「そうね……」



焼けたトリをかじりながら、私は考えていた。

なぜ実家のビール鍋の味が思い出せないんだろう。
うちの父がちゃぶ台をひっくり返すタイプのアングリーおやじだったせいだろうか。
「鍋=楽しい」という発想が持てなかったせいだろうか。

いや、父は家族のウケを狙って、変な鍋を開発したのかもしれない。「鍋=楽しい」を伝えたかったのかもしれない。

「何にしろ、今となっては分からないことばっかしなので、要するに今自分が、楽しく食事することを模索すべきなんだわ………」
そう考えながら、『まる』をすすった。




あなたにも、「え、面白くないよ、こんなメニュー」っていう秘密のレシピがありませんか。昔の記憶と濃厚に結びついてる味が。
あったらこっそり教えてくださいね。

結局暗くなるまで何かしら焼いてました。




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