横向きならではの観点がある
斎藤「おしゃれな帽子かぶって…ヘッドホンをして…ちょっといけ好かないですね。」 このドクロは確かに笑っているように見える。しかし、帽子とヘッドホンでそれがカッコつけた笑いに見えてしまう。こいつも下顎骨は貧弱な現代っ子だ。原宿辺りでクレープを食べている若者の、なれの果てである。
僕は不満だが、廣瀬先生の評価は高い。
廣瀬「なにげなく、梨状口のふんわり感が良いのよねえ…眼窩の形も良いし…」
廣瀬「オトガイ隆起があるのが良い!これは他にない人類の特徴ですからね。斜めからのアングルが成功しています」
オトガイ隆起はアゴの下の出っ張り部分のことだ。たしかにこれは斜めからじゃないと表現できない。
廣瀬「それから…ヘッドホンで顎関節が隠れているのが惜しい!」
複雑な顎関節の形状を描くのが大変なので、イラストレーターがヘッドホンを被せてごまかしたのだと思う。そういう気持は良くわかる。
廣瀬「あまりない横向きのアングルなんだから、ここはちゃんと描いて欲しかった…!」