斎藤「ああ…僕はこういう恐いのは大嫌いなんです。」
開口一番、言い切ってしまった。
そもそも、頭蓋骨の良さは「少し笑っている」ところにあると、僕は以前から考えている。どんな表情をした人間でも、肉を取り去れば骨は笑っている、という事実が哲学的で素敵だと思うのだ。従って、頭蓋骨を威嚇するような方向にディフォルメするのはちょっと違うのではないのかな、と思う。
廣瀬「うーん…眼窩がつりあがってますね…」
つい感情的になってしまった僕に対して、先生は冷静である。
廣瀬「ポイントは、下顎骨ですかね…見て下さい、下の歯だけ、やたらと多い」 |