廣瀬「ちゃんと作者が鼻中隔を尊重しているなら50点、そうじゃなかったら35点かな。これは難しい」
ちょっとした沈黙の後に、先生がこんなこと呟いた。
しかし、作者が単にこれを「二つの穴」として描いているのか、それとも「一つの穴を敢えて二つに分けている」のか。決め手はついに見つからなかった。それにしてもこんなドクロの模様でここまで悩むことになるとは、思わなかった。
結局、さっき見た「目がハートになっているやつよりはだいぶマシ」という観点から点数をつけることとなった。他と比較するのは自分の中で明確な基準が作れなかった証左であり、ちょっと悔しい。
廣瀬「これは問題作ですね。」
先生は笑ってそんなことを言ったが、僕にはわかる。あなたもきっと悔しいはずだ。 |