この氷の柱は、アイスコアと呼ばれる。
アイスコアは南極の氷を縦にくりぬいたものだ。10cm程度の太さで、氷床の表面から南極の氷の底(つまり地面)まで、3000m以上の深さを一直線にスポッと抜き出したものなのだ(南極大陸の上には深さ3000mもの氷が乗っかってるってことです!)。それを小分けにしたものが、この低温室に保管されている。
南極の氷は雪が押し固められたものなので、空気がたくさん入っている。氷の上にはどんどん新しい氷が積み重なっていくので、底の方に眠る氷は、何十万年も前のものだったりする。そこから空気を抜き出せば、何十年前の空気を手に入れることができ、そこから当時の地球の大気の状態を観測することができるのだ。
南極は、はるか昔の大気を保存するアイスボックスになっているのだ。 |