ビールを持って立つのが憚られるぐらいの浮きっぷりである。
子どものころ、東武東上線でとなりに座っていたおじさんが「これはコーラです」と誰に向けるわけでもなく言い訳しながらビールを飲んでいたことがあったが、僕はいまあのおじさんの気持ちが東京一わかる男である。まわりのひとの視線も痛い。そのせいか僕もかなり腰が引けている。
検証2:中間点
東京駅には大きな通路のほかに、両側に店がある細い通路がある。地図上に見える斜めの細い道がそれである。
この小径がじょじょに浮かれるプロムナードであった。まさに浮かれのガリバートンネルである。通り抜けるころにはスキップになっていてもおかしくない。 |