時差のあるリアクション
ボウリングレーンの全長は23.72メートル。ファウルラインから一番先頭のピンまででも18.26メートルもある。視力0.1以下の人たちにとって、18.26メートル先の物はどのように見えているのか?
林「一つの白い塊に見えます」
もちろん、実際には10本のピンが正三角形に並べられている訳だが、林さんには一塊に見えるのだという(裸眼視点2)。
確かに一つの塊にしか見えない。
林「でも、この方が狙いやすい」
大山「いつもより高得点が期待出来そう」
2人ともボンヤリとした視界と前向きに向き合いつつ、第1フレームの第一投は林さんが投じた。
ゴロゴロゴロ、ガシャーン。
いきなり8本を倒す好スタートではあるが、投げた林さんも見ている大山さんもキョトンとしている。2人とも何本倒れたのか、分からないのだ。
大山「あっ、8本倒れてます」
モニターを見て大山さんが言う。
林「やった!」
林さんが好記録に喜ぶが、この時点でピンが倒れてから随分時間が経っている。
そんな衛星中継の様な時差を伴うリアクションと伴に、裸眼ボウリングは始まった。 |