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特集


ちしきの金曜日
 
コワモテになっていいことをする

●心のきれいなコワモテ目指して

  無駄な迫力が出たところで、今回の試みの核心である「いいことをする」の実行に移りたい。コワモテで家の周りをうろうろしていると、捨てられているゴミを発見。


「ちっ、汚い街だぜ!」
「拾うぜ!」

 「人を外見で判断してはいけない」という言葉の検証第一弾。早くも検証法の妥当性にはてな感があふれる感じだろうか。

 写真には威勢のいいセリフをつけたが、家の近くということで内心はビクビクしていた。近所の人にこんな格好でいることを見られたら説明しづらいし、さらにはゴミ拾いをしているわけだから余計に混乱する。

 早く家を離れよう。コワモテであっても、そういうリスクを回避することは忘れたくない。


「けっ、横断歩道かよ!」
「手を挙げて渡るぜ!」

 気持ちのよい交通ルールを守ることにも気をつけたい。はじめはなんとなく横断歩道を渡ろうとしていたのだが、「いいことしなくちゃ」ということに気がついて、まっすぐ手を挙げて渡る。

 こんなことをするのは小さな子供の頃以来か。コワモテになると、すっかり忘れかけていた「いいこと」が思い出される。

 嘘っぽいさわやかさあふれる気持ちでいたところ、妻がスーパーに行きたいと言い出した。夫がこんな格好をしているのにほんとにいいのかとも思ったが、そういう要望に答えるのもいいことであるはずだろう。


「緑黄色野菜をバランスよくとるぜ!」
「プチダノンはおいしい上に栄養もあるぜ!」

 スーパーの中で「いいこと」を考えていると、自然と「体にいいこと」へと軸がシフトしてくる。栄養や健康のことを考えるコワモテだ。

 しかし街に出たコワモテの心の内実は複雑だ。


人目避けがちなコワモテ

 偽りのコワモテとしては、本物のコワモテと遭遇するのが怖いのだ。なにかよからぬことにもなりかねない予感。そう考えると、つい柱の陰に隠れがちになる。

 どうしてこんな思いをしなくちゃいけないんだろう。そうだ、もしかすると今の自分に必要なのは、「心にいいこと」なのかもしれない。



 

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