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土曜ワイド工場
 
「高速道路に架かる橋」を鑑賞する


わけ分からない動機につきあってくれたドライバーに感謝。
改めて日中に高速道路へ出向いた。橋撮るために。「ねえ、クルマ出してよ」「なんで」「高速道路に架かってる橋撮りたいから」。友人は選びたいものである。


見えた!


高校生の頃、同級生が詠んだ短歌を思い出した。

「走っても 走っても橋 走っても
 走っても橋 走っても橋」

できる限り減速してもらって
詠み人たるその同級生は陸上部。ぼくらの高校は江戸川沿いに位置していたため、陸上部のトレーニングのためのマラソンコースは土手を延々と走る、というものだったそうだ。つぎつぎと橋をくぐったり横断したりするコース。その情景をグルーヴィーにライムを効かせて詠んだ名作だ。

あと、HIP HOPの人たちの言う「ライム」って要するに駄洒落じゃん、っていつも思う。新橋のサラリーマンのほうがうまいんじゃないかな、ライム。


何とか撮れたか。高さのある端正な橋だ。ぐっとくる。


今回車を走らせたのは中央道。走ってみて分かったのは橋は凝集する傾向にあるということだ。ある場所には連続して現れるが、いちど途切れるとしばらく空白が続く。「走っても橋」というにはすこしまばらな印象だ。分析すると1/fとかになるとみた。


ふたたび現れた橋。向こうに連続して続いているのが見える。




くぐりかけ。これだけ近づくとやっぱりブレてしまう。


それにしても走っている車からの撮影はやっぱり難しい。決してダイナミックに撮りたいわけではないのだが、どうしてもスピード感あふれる描写になってしまう。中央分離帯に降り立って三脚を立てられないものだろうかと真剣に思う。え、中央分離帯ってそういうときのためのものじゃないんだ。なんのための中央分離帯だ。


次に見えるのは先ほどの足が長い橋と同じタイプのもの。




べつやくさん風に言えば「かっこいい橋」といったところか。モテそうな橋だ。



ややトンネル感のある幅の広い橋が見えてきた。
こういう感じの橋にはあまりぐっとこない。ぼくの理想の「高速道路に架かる橋」は

・幅が狭いもの
・高さが高いもの
・高速道路上から見てなにも無いところに架かっている印象があるもの

といったところだ。農道の延長で農作業用の軽トラが走っていたりするイメージだ。なんだろうなこの勝手な理想条件は。

うん。あまり好みじゃないな、この橋。
なので、首都高まっただなかの橋にはあまりぐっとこない。あれはあれでファンも多かろうが、まったく別の趣味だ。
左の橋はそういう意味でどことなくそういう都心の橋を髣髴とさせるので駄目だ。好きじゃない。


 

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