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土曜ワイド工場
 
理想の地下歩道を求めて

■なかなか無い「地下歩道」

地下歩道を探して2月の夜の寒空の下を歩いていると、「あんまり好みじゃない」などというのは贅沢だ、ということが分かってくる。思いのほか地下歩道って少ないのだ。たまたま自分ちのそばに地下歩道があったから、世の中にいっぱいあると思い込んでいただけなのかもしれない。家の近所のコンビニがたまたま「ポプラ」だったからといって日本のコンビニは「ポプラ」が多勢かというと、そんなことはない、というようなものだ。たぶん。たとえが分かりづらいか。


こういう高架下の横断道路はたくさんあるのだが。


たとえば、似たような雰囲気を持っているが地下歩道とは似て非なるのが高架下の横断道路だ。これは地下道と比べてよく目にする。すすけた壁の雰囲気などいい線いってはいるが、しょせんは地下の疑似体験。やはり地下にもぐる、あの閉塞感が欲しい。


こちらも高架下横断道。白く塗られたトンネル空間はなかなか味わいがあるが、やはり物足りない。




壁の荒廃具合がかなりダンジョン度を高めてはいるが、向こう側へ視線が抜けてしまうため閉塞感に不満が残る。



■とはいえこういうのもなかなか良いかも

しかし、地下ではなくても及第点を出してやりたい、そんな高架下の横断道もある。


夜の準工業地域に口をあけるトンネル。期待が持てる。




なかなかの閉塞感。向こう側が見えないのがポイントか。


ポイントは通路の長さと向こう「側が見えない」という点だ。この通路の場合、左に曲がっているため視線抜けず、視覚的に程良い閉塞感をもたらしている。「地下歩道を見に行きたいけどちょっと不安」という向きにちょうど良い入門編物件と言えるだろう。


こちらのトンネルも桁下に対して長さが長いため、地下ではないもののなかなか良いビュー。




短めのトンネルが連続する。高架下横断コンビネーション。


上は、なかなかユニークな物件。ひとつひとつのトンネルは短いのだが、それが3つ連続することによって魅力的なビューを作り上げている。この手の場所にありがちな月並みなデザインの落書きも荒廃感に一役買っている。

しかし、やはり求めるべきは「地下」歩道だ。いいかげん冬の夜に歩き回るのもつらいが、こんなもので満足してはいけない。


 

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