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土曜ワイド工場
 
高専ロボコンを升席で観戦してきた

テレビで見るものがまさに目の前で

開演時刻。会場が暗くなったかと思うとドラムロールにファンファーレ。鼓笛隊も登場、それを指揮しながら先導するのは、あ!大会に協賛しているホンダのASIMOだ!よたよたと聖火台に上っていく。そして点火(?)。丸いドーム状のものをASIMOが触ると・・・聖火が(実際は布に照明をあてて)点灯です。


テレビ的豪華演出。 膝を気遣っているようなおなじみの動き。

まあ、ロボットによる点火ですから。

さて、この高専ロボコン、全国63校の高専が全て参加している。アイデアの書類選考を経て全国8地区に分けて行われる地区大会、そしてそこから選抜された25チームが、ここ国技館に集結したわけだ。

この大会、今年で18年目だが、毎年違うテーマで競われる。第1回目のテーマは「乾電池カー・スピードレース」で、乾電池2個で動くロボットに人を乗せスピードを競うという、テーマから容易に内容が想像できるものだったが、第11回のテーマは「生命上陸」。「マシンに搭載した自作のたまごを大中小10個の島に向けて投げ、自作の生命を誕生させる」という、文章だけでは難解なテーマだった。

今年のテーマは「大運動会」。実に単純だ。でも審査員の先生のコメントによると、ロボットが人間のやる競技で競うのは初めてではないかとのこと。まさに歴史的瞬間に私たちもひょっこり立ち会うことに??


競技場に立てるのは3名。25チームが次々に登場しオタケビをあげる。 おお、わが東京高専のメンバー。ちなみに開会式行進曲は「恋のマイアヒ」。

競技説明

では「大運動会」の内容を説明しよう。赤・白2チームに分かれ、各チームは「手動ロボット」と「自動ロボット」の2つを使って障害物競走をこなす。バトンを持って手動ロボがスタート、そしてハシゴくぐり・平均台・ハードルの3つの障害物をクリアしたら、自動ロボにバトンを渡す。自動ロボは、背後の垂直な壁を上り、一番高いところにある穴にバトンを半分以上差し込むとゴールとなる。競技時間は3分間。3分?そんな短時間で、下の写真のようなフィールドを、まわりきれるんだろうか・・・。


ASIMOもたたずむ中、フィールドが整った。以下、東京高専の1回戦を例に説明します。

スタート地点からハシゴに一気にダッシュ。 ハシゴをくぐって・・・
平均台に乗って、下に落ちないように進んで・・・
ハードルを越え・・・
バトンを引き継いだ自動ロボが、けなげに上がっていきます。 そして穴にイン!(これは東京高専のロボではありません)

どちらかゴールしたほう、あるいは3分間でよりゴールに近いほうが勝ち。まあ、競技の内容は単純なものである。が、要綱に添えられた「ロボットの制約」が、なんだかすごい。以下プログラムより抜粋してみると、

・手動ロボの操縦は、赤外線・可視光・音波による遠隔操作
・スタート時には1辺が1メートルの立方体に収まってなくてはならない
・スタート後の変形は自由
・自動ロボはリモコン操作・通信は不可
・バッテリー電圧は1体あたり24V以下
・全制作費用は、合計16万円以下

これを、高専の人たちぁ作れるっていうんですかい。
どうにも異世界の話のようで、感心するしかない。



 

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