ちなみにこれは後で知ったのだが、こちらは縁結びの神様でもあるそうだ。タニシと縁結び。遠いようで遠い二つを結びつけるとはアクロバティックなことをしなさる神様だ。
入り口の狭さに対してお寺は立派だった。パチパチ音がするので、何だろうと思ったらドングリが落ちる音だった。静かだ。
静けさを打ち破る歌声
さて、参拝はすませた。おごそかにカバンからタニシの歌の楽譜のコピーを取り出した。
わらべ歌は、その形を変えて歌い継がれ、広まって行く。今回は「日本わらべ歌全集8」に載っていた「たにしことこと」を歌おうと思う。旅館でお土産に味噌煮を買ったのだが、それにもこれと同じ歌詞が出ていた。
「たにしことこと」
たにしことこと
飯山のまちへ 行かないか
いやなこっとこと
去年の春も 行ったらば
山椒の味噌で あえられた |
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大人たちがタニシの味噌煮を作るときに歌ったとか、子供たちがタニシを食べるカラスをはやし立てる「はやし歌」として歌ったとも言われる。
タニシに対してコトコトという擬音が妙にマッチしていてかわいい。詩のかわいさに対して、「かごめかごめ」に似たメロディは最後の終わり方も劇的に暗い。不思議な雰囲気のある歌だ。
厚木とタニシというギャップに驚いた最初から前ページのタニシ料理など思い出しながら歌いました。
さらに、これをデイリーポータルZライター陣のなかでギターからピアノまで演奏できる音楽担当、宮城さんに伴奏をつけていただいた。
みなさんもこの機会にぜひとも厚木とタニシに思いをはせ歌ってみていただければ幸いです。
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