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特集


ひらめきの月曜日
 
10円寿司ってなんだ


これが10円寿司だ

10円分に切り分け、冷蔵庫で休ませていたタネを乗せた。まずは通常シャリバージョンから。


それぞれ10円分のタネが乗っております。見事にスカスカです

…これほど白い部分が見える寿司って、まずない。というか、すでに寿司とは違う食べ物になっている気がする。とにかく、バランスがものすごく悪い。見ているだけで侘びしい気持ちになってくるのは、私だけではないハズだ。

そこで、次に10円分のタネに見合った大きさのシャリバージョンを見ていただこう。


間違いなく、先ほどと同じ大きさのタネが乗っております

…とにかく小さい。ミニチュア感が溢れまくっている。10グラムに満たないほど小さいというのに、先にスカスカ寿司を見たせいか、見ていて寂しさを感じないのが不思議だ。かえって愛おしいくらいだ。

特筆すべきは、間違い探しのように紛れ込んでいる玉子の巨大さだろうか。これは戦車か何かか。


爪楊枝で刺せる寿司
アジは大きめ(といっても3グラム)なだけあって、寿司っぽく見えます

充実のウニ。1枚だけでも満足感が得られます

溢れんばかりのイクラ12粒。素敵だ…

いやぁ、とにかく可愛いらしい。そして食べても寿司の味がちゃんとする。(ちなみに大シャリ寿司の方は、明らかに普段の寿司の味ではなかった)

寿司は、やっぱりシャリとタネのバランスが大事な食べ物だったのだ。どちらかが大きすぎても、小さすぎてもいけない。

大シャリ寿司は、見た目にも味にも、なんとも悲しい結果に終わったが、小シャリの方は素晴らしい出来だった。小さくても、しっかり寿司だった。

「寿司は握ったらすぐ食え」と言われるくらい鮮度が大切だというが、この小さな10円寿司をツマミにダラダラ飲み続けたい…と思ってしまったほどである。

もう一度作ってみたいが、小さなシャリをたくさん握るのが面倒だ。どこかに親指大ほどの型が取れる枠があれば是非買い求めて、50個くらい作ってみたい。

そしていつか、10円寿司パーティーでもやりたいところです。

「10円寿司」という言葉の響きに魅せられて始めた今回の試み。もっとガッカリするかと思っていたのに「また作りたい」とまで思うとは、嬉しい誤算だ。

1960年代の銀座にあった10円寿司は普通の大きさだったに違いないが、2005年現在の10円寿司は、こんなんでしたよ。

最後に「物価の変動などで、タネがどんどん小さくなる時代がやって来ても、タマゴだけはいつまでも立派な姿でいて欲しい」という希望を述べて、終わりたいと思います。

あまりの小ささに、うっかり指が醤油に浸かります

 

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