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特集


ちしきの金曜日
 
「ラブホテル」を鑑賞する

■南国リゾート風

「こうやってラブホテルをめぐってみると、なんというかリゾート風のものが目立つね」
「けっこう新しいのが多い。最近の流行なのかなー」

南国の遺跡風なラブホテル。バリとかそこらあたりか。


お城タイプが切り開いたラブホテルに求められる非日常の演出という点からすれば、バリエーションとして南国リゾート様式の採用はさもありなんといったところだ。

「たぶん内装も南国風なんだろうねー」
「そうだねー」
「入ってみないとそれは分からないよねー」
「まあ、入るまでもないでしょう」

やっぱりだめか。


南国風な植栽がこれ見よがしに植えてあるラブホテルを多く見かけた。


建築自体は南国風ではないが、入り口にはやっぱりソテツが。


椰子の木をシンボルマークとしたラブホテル。様式も何となくサザーンリゾートの風情。


ラスタカラーなラブホテル。もちろん南国風植栽も欠かさない。


南国がイメージさせる「奔放さ」みたいなものが官能の世界への誘いに一役買っているのではないかと思われる。ラブホテル側としてはその機能に期待しているのだろう。現に、その効果のあおりを受けてだろうか、このラスタカラーのラブホテルの隣にあったコンビニの駐車場で、クルマの中でことにいそしんでいるカップルを発見してしまった。

「ねえ、隣のクルマ、やっちゃってるよ」


重なり合う影から時折漏れる声。ていうか、ここで奔放じゃなくても。ラブホテル行けよ。隣にあるんだから。

 

■電飾に対する考察

今回雰囲気作りの意味もこめてあえて夕暮れ時からラブホテルめぐりをはじめてみた。そこで気がついたのは「建物を縁取る電飾が特徴的」という事実だ。

縁取り電飾の典型的な例。


建築に対してこういう電飾を施す例は日本ではディズニーランドでしか見たことがない。

昼間見ると普通だが、夜になるとこのとおり。夜の集客をメインとし、かつ車で通りかかる人へのアピールを重視する業態ならではの過剰電飾。嫌いじゃない。

 

■とりあえず、岩

もうひとつ特徴的だったのが建物のコーナー部や壁面の要所をなぜか「岩」でデコレートする例だ。

建築の角に、なぜか岩。あまつさえブルーなライトアップ。


これなども岩さえなければ普通のコジャレた建築なのだが。ラブホテルが「普通」であってはならないのかもしれないが、それにしても「元は綺麗な人なのになぜか似合わないギャルファッション」を髣髴とさせる。なんとなく。

こちらはその名も「THE ROCK」。監獄をテーマとしたラブホテルのようだ。


お城やリゾートが無難な非日常演出だとしたら、岩使いラブホテルのそれは「ワイルド」方面にあるのだろう。

「ちょっと倦怠期の2人が利用したりするのかしらね」

ようするに、ぼくにはまだ早いという意味か。またもややんわりと断られたか。



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